近本が盗塁王 赤星以来!球団新人18年ぶり「一番目標にしてきた」
「阪神3-0中日」(30日、甲子園球場)
試合終了の瞬間、自然と頬が緩んだ。無我夢中で突っ走り、完走した143試合。阪神・近本が大きな勲章を手にした。今季最終戦は4打数無安打で盗塁なしに終わったが、今季36盗塁で盗塁王のタイトルをつかみ取った。新人では2001年の赤星憲広(阪神)以来、18年ぶりとなる快挙を成し遂げた。
「一番目標にしてきたところなので、取れたというのはよかった。その中でも目標とか、数字とかを頭に入れながらできていない部分があったので、来年はそういうところを意識してやっていきたい」
懸命に、そして着実に積み重ねてきた成果が確かな証しとなった。出塁すれば、常に先の塁を狙う姿勢を示していた。初のタイトル獲得に率直な思いを口にしつつ、さらなる高みを目指すための課題も口にした。
社会人出身のドラフト1位。即戦力として期待に応えないといけないと自覚して1年目を迎えた。その中で常に心がけていたのは、試合で自分の力を出し切ること。朝食の量やトレーニングなどでベストパフォーマンスを出せるように管理し、目の前の一戦に全力を注ぎ込んだ。
戦いはまだ続く。一丸でつかんだCS進出。「こうなれば、自分の結果ではなくて、チームの結果が大事になってくるので。自分がヒットで塁に出るよりも、他に色んなやり方がある。そういうところを意識しながらホームにかえってきたい」。1つの山を登り終えた韋駄天(いだてん)ルーキーは、次なる山の頂を目指す。