巨人キラー福留が強行出場 ファーストSで右肘、左足に死球…それでも「楽しんで」

 阪神・福留孝介外野手(42)が9日のCSファイナルS第1戦にスタメンで強行出場することが8日、分かった。DeNAとのファーストSでは2戦連続で死球を受けて患部は腫れているが、G倒には抜群の相性を誇る“東京ドーム男”の力が欠かせない。目指すは3位からの下克上での日本一だ。奇跡を起こすまで、ベテランはグラウンドに立ち続ける。

 右肘には大きなアザが残っている。左足親指の腫れも引いていない。万全ではない体。それでも、福留は前だけを見据えた。「僕の方が心配です、かなり痛いので。治療?何とかなればいいですね」。休日となったこの日は、腫れを取るためのアイシング治療などに専念。チーム全員で奇跡の完結へ。ベテランが強行出場する。

 厳しい勝負で負った“傷”だった。6日のファーストS第2戦で右肘、7日の第3戦は左足親指に死球を受けた。ベンチからトレーナーが勢いよく飛び出したほどの痛手だった。それでも、福留は2試合とも最後までグラウンドに立ち続けた。

 みんなで勝ち取った勝利に、福留は少しホッとした表情を見せた。もう痛みをこらえなくてもいいんだ-。試合後は足を引きずりながら帰り道を急いだ。「みんなが最後まで思い切りプレーしたことがこういう結果につながったと思う」。一丸となってつかんだ勝利に頬は緩んだ。

 次なる相手は5年ぶりの再戦だ。14年のCSファイナルSで顔を合わせたのは巨人、球場も同じ東京ドームだった。甲子園での広島とのファーストSを1勝1分けで勝ち上がった2位・阪神はファイナルSで宿敵相手に敵地で4連勝を飾り、日本一への挑戦権を獲得した。狙うはその再現だ。だからこそ、福留は言葉をこう続けた。

 「これから成長するいい機会を次のステージにもらったので、楽しんでやれればいいですね」

 東京ドームは大のお得意さまだ。今季、敵地に乗り込んだ福留はG投になかなか止められなかった。打率・442、3本塁打。巨人の“開幕投手”に指名された巨人・山口にも、対戦打率・444を誇る。清水ヘッドコーチも言葉を紡ぐ。「他に代わりがいないだろう」。代役のいない頼れるベテラン。痛みをこらえて、セ界最終決戦でも打席へと向かう。

 奇跡と必然がつないだここまでの軌跡。3位からの下克上は、まだまだ続きがある。ここで離脱するわけにはいかない。「とにかく頑張ります」。共に戦おう。福留は言葉に闘志を宿した。

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