北川氏 阪神打撃コーチ就任へ!ヤクルトで若き大砲村上を育て実績十分

 阪神が、OBで近鉄などでも活躍した北川博敏氏(47)=前ヤクルト2軍打撃コーチ=の招へいを決めたことが17日、分かった。同氏はこの日、ヤクルトを退団したため今後、打撃コーチとして入閣を要請する。現役時代は近鉄時代の01年に、リーグ優勝を決める代打逆転サヨナラ満塁本塁打を放つなどインパクトを残した。00年以来の古巣復帰で、勝負強さを兼ね備えた打者の育成が期待される。

 阪神が打撃部門テコ入れのために、新たな“血”を注入する。元中日・井上氏に続き、北川氏の招へいに動くことを決めた。

 同氏はヤクルト2軍打撃コーチとして、宮崎で行われているフェニックス・リーグに帯同していた。この日、球団から退団が発表されたため、宮崎空港発の飛行機で帰京。「今日はちょっと…」と話すにとどめたが、今後は阪神との契約交渉に臨むことになる。

 北川氏は94年ドラフト2位で阪神に入団。強打の捕手として将来を期待されていたが、1軍では結果を残せず、00年オフに酒井、平下、面出と3対3のトレードで近鉄へ移籍。新天地で才能を開花させた。

 01年は81試合に出場して打率・270、6本塁打、35打点。最も印象的だったのは、同年9月26日・オリックス戦のリーグ優勝を決める代打逆転サヨナラ満塁本塁打だ。今も球史に残る名場面として語り継がれている。

 阪神では同氏のような、勝負強い打者の育成が期待される。今季は12球団ワーストの538得点。リーグ1位で優勝した巨人は663得点で、125点もの差がある。理由は明確。チームの得点圏打率・247、同満塁打率・200はリーグ最下位だった。オリックスで主軸を担ってきた北川氏なら、技術だけでなく精神面でも選手育成に与える効果は大きい。

 現役引退後はオリックスの2軍打撃コーチ、1軍打撃コーチを歴任。17年からはヤクルト2軍打撃コーチを務め、今季36本塁打を放った村上らを育てた実績もある。阪神時代は特徴のある笑顔から“スマイリー”の愛称で親しまれた北川氏。矢野監督が掲げる前向きに戦う方針にも合致するOBが、00年以来の古巣復帰で新たな風を吹き込む。

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