ドラ2井上、虎のおかわり君になる 大食い伝説持つ大砲「日本の4番打てるように」
阪神からドラフト2位指名された井上広大外野手(18)=履正社=が21日、大阪府豊中市の同校で畑山統括スカウト、永吉編成ディレクター、渡辺スカウトから指名あいさつを受けた。現在は一時減量中だというが、身長187センチ、体重97キロの体を作り上げた大食い伝説が明かされた。恵まれた体格を生かした長打力で、虎の“おかわり君”になる。
虎の“おかわり君”襲名か!?大きな体に、はにかみながら見せる笑顔。井上が喜びをかみしめながら、決意を言葉に込めた。「ここからがスタートなので、しっかり土台を作って頑張りたい」。憧れ続けてきた夢が今、現実になった。
現在は絶賛減量中。体作りに取り組み、97キロある体重を90キロくらいまで一度落とそうとしている。担当の渡辺スカウトが「夏が終わって少し体重も増えて、国体は体が重たいまま行ってしまったので」と意図を説明。ベスト体重だという94キロに向けて、一度減量した後、12月から徐々に筋肉量を増やしながら体重をアップさせていく予定だ。
井上は日本一への道を支えた履正社不動の4番。豪快なフルスイングで、高校通算49発を放った右の大砲候補だ。そこには恵まれた体格を育んだ、大食い伝説がある。中学生の頃は、毎日昼食で米を3合。それが日課だったという。履正社へ進学後は、練習終わりに仲間と食事に出掛けた際にまた伝説を。
「オーダーが追いつかなくて…」
焼き肉店でのことだ。食べ放題のメニューを上から下まで見渡して…。「一気に全部食べます。上から全メニュー(笑)。ほとんどの種類を人数分頼みます」。オーダーが追いつかず、最後には店員に「少し待っててください」と言われる始末。胃袋を満たし、明日の練習へのエネルギーに。こうして187センチ、97キロの体を作り上げてきた。
この日初めて、球団から伝えられた思い。「右の大砲が欲しかった」。喜びが、自覚へと変わった。頑張る理由がまた一つ増えた。ドラフト後も毎日、一人で黙々と打撃練習などを続けてきた。
右手には矢野監督のサインが入ったドラフト会場の入場パスが、大切そうに握られていた。「日本の4番を打てるように頑張りたいなと思います」。希望に満ちた表情で、目標を言葉にした。最初の一歩、また次の一歩。夢見てきた未来は、それほど遠くはない。