秋季Cは打撃コーチ3人制 井上C&新井C&北川氏“6つの目”で徹底チェック

 阪神が31日から高知県安芸市で行う秋季キャンプに、異例の打撃コーチ3人体制で臨むことが22日、分かった。井上一樹1軍打撃コーチ(48)、前ヤクルト2軍打撃コーチで現在招へい中の北川博敏氏(47)と新井良太2軍打撃コーチ(36)。井上コーチ以外は現時点で1、2軍等の役職は未定となっており、連携などを含めたベストな布陣を見極めるとともに、“6つの目”で課題の打撃力アップを図る。

 来季15年ぶりのリーグ優勝に向け、球団が新たな“改革”に着手した。31日から、20日間の予定で行う秋季キャンプについて球団幹部は「3人とも行ってもらうことになる」と説明。着任した井上打撃コーチに加え、新井2軍打撃コーチと、招へい中の北川氏も帯同する。

 異例の3人体制になった背景には、長年の課題となっている弱点がある。防御率3・46はリーグトップで、自責点496は最少の数字。100盗塁も1位だった。だが、チーム順位は3位。数字が語るように509打点、538得点、得点圏打率・247はいずれも12球団ワーストだ。

 矢野監督は18日のオーナー報告会見で「来季は点を多く取る野球をしていきたい」とし、現時点の弱点を「伸びしろ」と前向きに表現した。課題は明白。勝負どころでの1本をいかにして生むかだ。井上打撃コーチを中心として、球団を挙げて取り組むべき課題である。

 そこでの秋季キャンプ打撃コーチ3人体制だ。タイプの違うコーチの“6つの目”で選手をチェック。育成方針などを示す際にも一方的ではなく、さまざまな可能性を協議することができる。また、自主性を重んじる中、個々の選手が練習量を増やしたとしても、3人なら万全のサポート態勢が整うはずだ。

 来季に向けた実験期間にもなる。過去、球団では秋季キャンプ前には、来季の新体制を発表してきた。昨年は10月22日。一昨年は10月23日だったが、現時点で発表はまだない。同幹部は「マッチングといいますか、そういうのを見て決めます」と説明。2人体制にするシーズンに向けて、井上コーチとの相性なども見極める。

 また、3人が意見交換できる機会を設けることで今後、1、2軍の意思疎通や、連携強化にもつながるメリットがある。浜中打撃コーチが今季限りで退団。平野打撃コーチは2軍内野守備走塁コーチに配置転換された。スタッフ人事で唯一、刷新される部門。球団としてもバックアップ態勢を整え、得点力アップに注力していく。

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