阪神、助っ人大砲獲り!鳥谷退団メッセ引退…浮いた資金で FA補強は消極的

 阪神の谷本修球団本部長(55)は24日、今オフのFA補強について「極めて消極的です」との方針を示した。この日からFA有資格者が権利を行使するための申請期間がスタート。虎はまず藤川など球団内のFA権保有者の残留を大命題とし、打線強化のために外国人の大砲獲りに全力をつぎ込んでいく。

 FA権行使の申請が始まったこの日、虎の編成トップが改めて方針を示した。谷本球団本部長は「FAに関して言えば、極めて消極的です」と明言。16年オフに糸井、昨オフに西(ともにオリックスから移籍)と近年は積極的に動いてきたが、今オフはFAでの補強は行わない考えだ。

 今オフのFA有資格者は90人、うち今シーズン国内FA権取得者は23人、海外は9人。海外移籍もにらむ西武・秋山、国内組のヤクルト主砲・バレンティン、ロッテ選手会長の鈴木、広島・菊池涼…彼らの動向が注目される中、阪神は静観の構えを見せる。

 まず注力するのは自軍のFA権保有者の引き留めだ。その筆頭が9月に2度目の海外FA権を取得した藤川。今季はリリーフ陣の柱として活躍、シーズン後半は全盛期に劣らぬ投球で守護神として君臨した39歳に対し、球団幹部は「球団の中で、外国人を含めてもパフォーマンス的にはトップ。選手を超えた存在」と最大級の評価を与えている。

 この日、甲子園を訪れた藤川は笑顔で「何もないです」と多くを語らず。谷本本部長は「日常的に話をしています。全体として丁寧にやっていくということです」と上本や俊介ら、その他FA有資格者との残留交渉も進めていく予定だ。

 一方で今後の補強について、同本部長は「随時、やっていきますよ」と助っ人野手の獲得に全力を注ぐ。今季で退団する鳥谷の推定年俸4億円に、引退したメッセンジャーの3億5000万円が宙に浮いたことで“財布”には余裕ができた。その資金はワールドシリーズ後に動き出す米国市場で、主に長距離砲の獲得に注入していくとみられる。

 「来季は点を多く取れる野球をしていきたい」と意気込む矢野監督。その期待に応えるべく、18日のオーナー報告後に揚塩球団社長は「これから具体的に選手の銘柄を入れて選定に入っていきたい」と明かした。矢野政権2年目の浮沈を決する今オフの補強。得点力不足解消のため、内外野を問わず外国人スラッガー獲得に力を注いでいく。

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