岩貞“マサスクリュー”習得に手応え 芯外してゴロで打ち取る
「阪神秋季キャンプ」(3日、安芸)
“山本昌スクリュー”で2016年以来となる2桁勝利を狙う。高知県安芸市の秋季キャンプで3日、岩貞祐太投手(28)が、山本昌臨時コーチの現役時代の代名詞だったスクリューボール習得に手応えをつかんだ。この日のブルペンで同氏から投球法を学び、早速約80球を試投。現在のチェンジアップと直球の中間のスピードとなる“直伝”の新球でゴロアウトを増やしていく狙いだ。
表情には確かな手応えが浮かんでいた。「今日の投げ始めの段階では“イケる”っていう手応えがありました」。4年ぶりの2桁勝利へ向け、岩貞が新球習得に乗りだした。
きっかけはブルペンで山本昌臨時コーチから掛けられたひと言だった。「『スクリューをこういうふうに投げていたよ』って教えてくださって」。今季チェンジアップを投じた際に、ゴロで打ち取れる確率が低くなっていると感じていた左腕。ちょうど少し球速の速いチェンジアップを練習していたという。
握り、腕の振り、リリースの方法を教わると、すぐに試投。「とても新鮮だったし、投げてみたら結構低めに制球できて」と約80球を投げ込んだ。低めに変化した球がミットに収まると、捕手の後ろで見ていた矢野監督が「おおーっ!」、「今までにない回転や!」と感心したように声を掛けた。
岩貞は16年に10勝。プロ3年目で初の2桁勝利を挙げたものの、その後2年は5勝、7勝と伸び悩んだ。開幕から先発ローテに入った今季も、8試合の登板でわずか2勝に終わっている。
「サダのチェンジアップは2桁勝った時、もっとスッと抜けていた。(今季は打者が)見逃しやすくなっていた」と矢野監督は指摘する。それだけに本人は「今のチェンジアップと直球のちょうど中間ぐらいのスピードで投げられたらベスト。直球と思って打者に振らせて、芯を外してゴロで打ち取るイメージ」と完成形を描く。
この魔球を操ることができれば、山本昌氏がそうだったように、勝ち星が増え、投手生命も延びる。「このキャンプでマスターしたい。試合で(サインに)首を振って選ぶぐらいにしていきたい」と岩貞は意欲満々。マサに直伝となる新球で明るい未来を切り開いていく。