木浪&北條、遊撃争いバチバチ 矢野監督「北條の強みは作戦面、守備は聖也が上」
「阪神秋季キャンプ」(12日、安芸)
内野の一角を巡る戦いが激しさを増している。遊撃の定位置を争う阪神・木浪聖也内野手(25)と北條史也内野手(25)が12日、今キャンプ初めて行われたシート打撃でともに2安打と猛アピール。実りある秋を過ごし、ひと冬越えてレギュラーの座をつかむのはどっちだ。
どちらも譲らなかった。今キャンプ初のシート打撃。北條が快音を響かせれば、木浪も負けじと痛烈な打球を見せつける。遊撃の定位置獲りへ、若虎が高いレベルで競い合った。
木浪、北條と並んだ打順。まず、先手を打ったのは北條だ。第1打席で福永が投じた内角への直球を左前へ放った。無死一塁で迎えた3打席目には、浜地の直球に食らいついて右前打。好機を広げる一打でアピールした。「手応えというか、体を追い込んで、振り込んでいるという中で。久しぶりの実戦でしたし、どんどん振っていこうと思っていた」と収穫のあるマルチ安打をマークした。
木浪も黙ってはいない。2死一、三塁での第2打席。高橋遥が投じた外角132キロの変化球にバットを合わせた。打球は三遊間を破って左前へ。三走・江越を生還させる適時打となった。
1本では終わらない。先頭で迎えた3打席目は浜地から中前打を記録。「結果を求められていると思うので、いい準備をして打席に入ることができた。いつでもアピールできるときはアピールしないといけないと思っているのでやるだけです」と貪欲な姿勢を示した。
シーズン通して繰り広げられた木浪、北條らによる正遊撃手争い。決着はついていないだけに、今キャンプ中の取り組みが来季に大きくつながる。シート打撃後に矢野監督がまず名前を挙げたのは木浪だった。「聖也はいい感じだったかな。内容的にも」と評価した。
一方で北條との遊撃手争いについても言及。「総合力というのももちろん大事になるし、北條の強みは作戦がいろいろできるところ。聖也に関しては、まだその部分ではジョー(北條)よりは差があると思うし。でも守備でいえば、聖也が上だと思うし」と互いにさらなるレベルアップを求めた。
定位置争いはまだ序章。「競争は激しいので、勝つために自分のやるべきことをしっかりやっていきたい」と木浪。同い年の2人が一つしかない遊撃のポジションをつかむために切磋琢磨(せっさたくま)する。