矢野虎 来春は実戦漬けで競争せい!開幕9日前倒しも…紅白戦、練習試合増で対応へ
今年より開幕が9日早まる2020年シーズン(3月20日開幕)に向け、阪神が来年2月1日のキャンプインから“実戦漬け”でペナントレースに臨むことが15日、明らかになった。日程の都合でオープン戦の数は若干減少するが、谷本修球団本部長(55)は「キャンプ中の紅白戦、練習試合を増やして」対応する予定。今年と同等の24試合程度を組み、チーム内競争を激化させる方針だ。
3月29日に開幕した今年は、キャンプ中に紅白戦3試合、練習試合4試合(うち1試合はノーゲーム)を組んだ。オープン戦17試合を合わせれば計24試合。来年は東京五輪が開催される関係で開幕が9日早まるが、谷本本部長は「今年と同じくらいの試合数を考えています」と語った。
日程がタイトな中、今年並みの試合数を消化することで、選手たちは“実戦漬け”で開幕に臨むことになる。同本部長は「オープン戦の数は少し減ることになりますが、紅白戦とか練習試合でカバーしていきたい」と説明。あえて実戦数を減らさなかった理由とは-。根底にあるのが、チーム内競争を加速させるためだ。
投手では藤川、能見、西、野手では福留、糸井など実績のある選手がいる中、現在、高知県安芸市で行われている秋季キャンプのメンバーが来季、チームの屋台骨を支えることになる。まだまだ発展途上の選手が多く、野手でレギュラーと呼べる成績を残したのはルーキーだった近本しか見当たらない。
投手陣に目を向ければ、来季の先発ローテが約束されるだけの数字を残した選手もいない。だからこそ実戦の中で競争させ、結果でポジションを奪っていくことが必要だ。谷本本部長は「もう明日から競争は始まりますから」と明かし、16、17日に安芸で行われる紅白戦も競争の一環と見ていることを示唆した。
若手が居場所を作るために、最も効果的なのが実戦で結果を残すこと。シンプルな競争原理こそが周囲を納得させるだけでなく、ライバル同士が切磋琢磨(せっさたくま)していく雰囲気作りにもつながる。チームの戦力を底上げするための舞台を1試合でも多く提供する。その先に優勝争いができる猛虎の姿が生まれる。