原口が告白 克服した大腸がんは「ステージ3b」だった「全国の人たちの力に」
阪神・原口文仁捕手が24日、西宮市内の球団事務所で会見し、1月に手術をした大腸がんについて初めて詳細を明かした。
まず、シーズン後に会見を開いた理由について「今シーズンを振り返ってと、病気の詳細について話したかった」と説明し、「全国の人たちの力になれるように。この場を借りて発信していきたい」と前を向いた。
病気の詳細について宣告を受けたのは1月8日の人間ドックだったとし、「隣の部屋に呼ばれて癌の宣告。すごく驚いたのと、頭が真っ白になった。そこから気持ち的には例年と変わりなく、キャンプに行くつもりで練習していた。落ち込む時期もあったが、前向きになって練習した」という。
同月24日に公表し、26日に手術。入院期間は1週間だったがステージについて「術後の病理検査で3のb」だったことも判明した。「そこまで進んでるとは誰も思ってなかったので、僕も驚きでした」と振り返った。
その後、錠剤の抗がん剤を2月6日からスタート。4週間飲んで2週間休むサイクルを4回したという。「体調が優れない日もありながら、首脳陣、トレーナーに配慮いただいて、ゲームに万全にプレーできる環境を作っていただいた」と感謝。5月に実戦復帰し、シーズンでサヨナラ打、球宴では2戦連発を放つなど、ファンに感動を与えるカムバックを果たし「1軍で最後までプレーできたのはありがたかった」と感慨深げに話した。
抗がん剤治療をしながら1軍でプレーを続けたことについて、「先生が好きな野球をどんどんやればいい」と後押しがあったという。このことを知っていたのはトレーナーと矢野監督だけ。再発のリスクもあるが「5年の経過観察をして完治。自分の体調を見ながら定期検査をしないといけない。でも球団にはサポートしていただいている」と、再び感謝の思いを示した。
再度、このタイミングで発表したことにはケアハウス訪問を挙げ「子供達の姿に勇気づけられた。院長先生から背中を押してもらう言葉をかけていただいた。それで球団と話をして」と説明。続けて「発表するのが良くないという意見もあったが、最初に公表したときに『使命』と自分で言って病気の詳細をしゃべっていなかった」と語った。
病、がんで戦う希望の光として「その中でここまでやれるというのを、病気で頑張っている人がいる。治療しながらでも仕事復帰できる。スポーツできる、そういうことを伝えたかった」。会見の途中では声を震わせる場面もあったが、現在は「僕はケロッとして元気なので、心配は全然いらないです」と前を向き、「明るい材料にしていただけたら。見た人が僕もやれる、私もやれると思ってもらえたら」と、メッセージを送った。