島本ビックリ!球団史上4番目335%UP 来季は「ホールド数を倍以上に」
虎が誇る“育成の星”や!!阪神の島本浩也投手(26)が4日、兵庫県西宮市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、年俸850万円から大幅アップとなる3700万円でサインした。育成契約の入団で2014年まで年俸300万円だった男が、球団史上4番目となる335%アップを実現。今季チーム最多の63試合に登板した左腕は10年目を迎える来季へ向けて「倍以上のホールド数を」と、さらなる飛躍を誓った。(金額は推定)
想像を超える提示額に、島本が思わず相好を崩す。「思ったより(額が)多かったのでビックリしました」。2850万増の3700万円でサイン。守屋(700万円→2300万円、229%増)を超える、今オフここまでのチーム最大となる昇給率だ。
335%アップは、球団史上最高となる463%だった2017年度・桑原らに次ぐ、4番目のアップ率となる。11年入団から14年までは育成契約。その間、年俸300万円だった男が大幅アップを勝ち取ったのだから、価値は大きい。
昨季は1軍登板わずか1試合に終わった。昨年3月に結婚し、子供も生まれて迎えた今季。「ダメだったら、終わりぐらいの気持ちだった」と背水の陣で臨んだ結果、チーム最多63試合に登板し、防御率は驚異の1・67をマークしてみせた。
「防御率はできすぎ…想像していなかったです」。自身も驚きの躍進に「技術面は何も変えなかったけど、開幕から自信を持って投げられたことが一番(の要因)かなと」と照れ笑いで振り返る。
忘れられない試合がある。「気が付いたら2点取られていた感じ。今年一番緊張していた」。5月8日のヤクルト戦で2点リードの延長十二回に登板。同点に追いつかれ、プロ初セーブを逃した。試合後、宿舎に戻ると「おまえのせいじゃないからな」と、矢野監督からLINEのメッセージが届いたという。
「そこからもっと頑張らないといけない、恩返ししようと強く思うようになった」。6月7日のロッテ戦では1点リードの延長十回に登板。鮮やかな三人斬りを決め、うれしい初セーブを決めた。
「育成の時があったからやっぱり…あの時よりも苦しいことってないので頑張ってきてよかったなと」。しみじみと話す左腕は、来季のさらなる活躍をにらみ、シーズン後の10月末に左肘のクリーニング術を受けた。
術後の経過は順調で、年内にはキャッチボールを再開する予定だ。「来年は60試合以上投げて、(今季11だった)ホールド数を倍以上に増やしたい」。島本の“育成ドリーム”は続いていく。