【藤原オーナーインタビュー1】矢野ガッツ評価 2年目求めるのは優勝

 阪神・藤原崇起オーナー(67)が大阪市内の電鉄本社でデイリースポーツの新春インタビューに応じ、就任2年目の矢野燿大監督(51)に15年ぶりのチャンピオンフラッグを求めた。ガッツポーズが代名詞となった指揮官の明るく、前向きに戦う姿勢を評価。フロントも全面バックアップしていくことを約束した。

  ◇  ◇

 -オーナーとしての1年目を終えて感じたことや心境の変化は。

 「私は今までも甲子園に足を運んでいましたけど、昨年はゲーム全体を見るというか、お客さまも含めて野球を見るというふうになりました。役割というより、姿勢が変わったというふうに思います。私はどちらかと言うと、ベンチに近い関係者用の場所から見るよりも、お客さまと同じような目線で(球場全体を)上から俯瞰(ふかん)するという方が多かったです。全体の流れを見られたり。お客さまに非常にすごい応援をしていただいている。雰囲気も合わせて肌で感じる事ができ、野球は違う観点から見てもいいモノだなと思いました」

 (続けて)

 「CSでは横浜スタジアム、東京ドームへ行かせてもらいましたけど、どちらも観客席の上の方から見させていただきました。横浜へ行った時はDeNAファンの皆さまの中で見ていましたので、昨年12月(のオーナー会議)で、DeNAの南場オーナーに『すごいいいファンを持っていいですね』と言うと、『何を言っているんですか。甲子園は逆ですよ!』と言われましたけども。ファンの皆さまと同じ目線で見るというところも含めて、観客席で見せていただくというのは、昨年1年の収穫だったかもしれませんね」

 -昨年はオーナーが観戦時は勝率がよかった。印象的な試合は。

 「サヨナラゲームというのは感動しましたし、エラーが(12球団)トップとか。逆に盗塁や犠打もずいぶんありました。リーグ全体を見ると、このチームが抜け出すのかな、と思うと連敗をして。お互いに山あり谷ありのシーズンでしたね。そこを最後まで諦めず戦ったというのが、最後の6連勝につながったということでもありますし。若い選手が台頭して、ゲームを盛り上げたというのもありました。リリーフピッチャーがずいぶん活躍したというのもありました。本当に一生懸命に、野球をしているというのが見えたというのが一番、私の心には残っていますね」

 -矢野監督は前向きに戦う方針を貫いた。

 「『矢野ガッツ』のことは皆さんも、よく言われていますけど、やっぱりトップに立つ人は明るさが必要ですね。下を向いて、暗い指揮官では士気が下がる。そういう意味では明るい方がいい。昨年は特に、野手は20代半ばが競争し合ってやっていました。競争というのも、ポジティブな競争だったと思います。『単に負けるか』ではなくて、ポジティブに『競い合って勝っていくぞ』というシーズンだったと思います。その中でチームも明るい。そういった現状を鑑みた中では、みんなで一緒にチームワークを作っていこうという姿勢は素晴らしいと思います。(チーム状態に)山、谷があったと言いましたけど、臨機応変にいろんなチャレンジをしながら乗り切ってきた。そのチャレンジの一番大きいところが、最後の6連戦だったかもしれませんし、CSだったかもしれません。プロの勝負というのは、一度失敗しても『明日がある』の世界ですよね。でも、それだけではダメで、そこに次の戦いに対して改善がないといけないですよね」

 (続けて)

 「『次善の次善』という大久保利通が使った言葉がある。これには『やってしまったことは仕方がない。だから、次は心を入れ替えて頑張ろう』というのと、『もしこれでダメなら次のカードを用意する必要がある』という2つがあると思うんですね。シーズンは143試合と、非常に長い中で、いろんなアクシデントもあれば、偶然の上り調子もある。その中で次の一手を常に用意しておく。選手(の視点)から言うと、へこんだ選手も『次があるやないか』と。こういう姿勢がいろんなところに見えました。これが一番よかったなと思いますね。また、みんなが『矢野監督は明るい』と言われますけど、テレビでベンチを映すと、やっぱり目は勝負師の目ですよ。やっぱりそんなに勝負っていうのは、あまいものではないし。そういった中で明るさを持つというのはいいことだと思います」

 -矢野監督2年目。求めたいことは。

 「優勝ですよ。『長い間優勝から離れてますね』というお話も聞きますけど、待望されているのはチャンピオンフラッグ。みんなで一緒に喜ぼうというところなので。言うのは簡単なんですけどね。それに対していろんなことをしていかないといけないと思います。監督、コーチが選手を鍛える。フロントもきっちり支えていく。ファンと一緒にチームを支える方法だとか。いろんなことがあるように思いますね」

 (続けて)

 「優勝もあるし、東京で開催されるオリンピックにも誰かが出てほしいですしね。表舞台というか、これも経験ですよね。その経験が将来、必ず役に立つ。若いだけにいろんな経験がでると、やっぱり懐が増えますよ。一人一人が強くなる、チームが強くなる、という大きな糧になると思いますね」

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