【藤原オーナーインタビュー3】巨人との差は打点と経験
阪神・藤原崇起オーナー(67)が大阪市内の電鉄本社でデイリースポーツの新春インタビューに応じ、就任2年目の矢野燿大監督(51)に15年ぶりのチャンピオンフラッグを求めた。ガッツポーズが代名詞となった指揮官の明るく、前向きに戦う姿勢を評価。フロントも全面バックアップしていくことを約束した。=インタビュー3
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-昨年は伝統の一戦も今までとは違う立場で見て、特別なモノは感じたか。
「確かに皆さんの思いや、ファンの思いが違いますよね。CSで東京ドームへ行った時に思ったことは、東京ドームも阪神ファンがたくさん来ていただいているんですよ。ですから、伝統の一戦というのは双方のファンが、『僕は阪神だ』、『私はジャイアンツだ』というのではなく、『このゲームに』という感じで見ていただいているのかな、というのは感じましたね。CSに行って余計にそう感じました。スタンドの上の方から見ていると、巨人戦というのは東京ドームでもずいぶん、阪神ファンが入る。それも左右に分かれていませんよね。入り乱れている。堂々とユニホームを着たり、帽子をかぶったり。これがファンの皆さんの伝統の一戦の見方かな、とは思いました。選手たちもそういう雰囲気を見ながら、ファンの皆さんの期待に応えていくこと(の重要性)を感じているんじゃないかなと思います」
-昨年は補強で力を付けた巨人が優勝。
「何が違うかと言うと、打点が違いますよね。坂本選手、丸選手、岡本選手っていうのが並んでくる。それと、もう一つは経験ですわ。ジャイアンツの選手の経験。ベテランという人まで昨年、成績が上がりましたよね、亀井選手のように。当方はというと、新人がどっと出てきたり、今までファームで頑張っていた選手が出てきたり。だから、今年は期待していますよ。昨シーズンは本当に、あれだけ試合をこなしたことがない選手たちが表舞台で、重要なところで試合をさせてもらった。これは大きな経験だと思いますね」
-今は野球人口が減っている。野球界の将来については。
「昨年、ラグビーのワールドカップ、イングランド対ニュージーランドの試合を見たんです。一瞬で終わった印象ですね。技術、パワー、スピード、そして素晴らしい規律、チームワーク。それに加えて国の代表だという誇り。これがあると、本当に観客を魅了する。のめり込む!だから、野球も(選手たちが)超一流を目指すというのが、将来の野球を支えるポイントになるのではないかと思っています。技もスピードもパワーも。それに加えて、全力でやっているというチームワークですよね」
(続けて)
「ディープな方にはずっと見ていただいていますけど、それ以外の方が甲子園に来た時に、ボールパークってこんなところなんだと思っていただきたい。『ここで見る雰囲気はすごいな』、『試合が始まるまでにいろんな面白いことがあるな』と。せっかく、甲子園球場という素晴らしいスタイルの球場を作っていただいているんで。共感していただける球場作りをしていくことが将来のタイガース、野球というところでは一番必要なことだと思いますね。その基本はどう言うてもプレーですけどね。ただのエキサイティングではない、超一流を目指して。『守備範囲はさすがだな』『あの走塁はすごいな』とかいろいろあると思うんですけど。選手にはみんなが『うわー』と思うようなプレーを目指してやっていただきたいと思います」
※終わり