江夏豊氏が祝福メッセージ「努力のたまもの」女房役・田淵氏の野球殿堂入りで
今年の野球殿堂入りが14日、東京都内の野球殿堂博物館で発表され、競技者表彰のエキスパート表彰として阪神などで活躍し、ダイエー(現ソフトバンク)で監督を務めた田淵幸一氏(73)が選ばれた。猛虎の4番を務めた通算474発のスラッガーは、盟友で中日のエースを張った故・星野仙一氏とともに打倒・巨人を誓った秘話を明かし、受賞の喜びを語った。黄金バッテリーを形成した田淵氏の野球殿堂入りの吉報に際し、江夏豊氏(71)が女房役に祝福のメッセージを寄せた。
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かつてバッテリーを組んだヤツが、こんな素晴らしい賞をいただくということは「本当におめでとう!!」の一言だよ。
東京六大学から鳴り物入りで阪神に入団したんだけど、打つこと、特に遠くに飛ばすことに関しては、素晴らしいものを持っていた。ただ、キャッチャーという点において、最初はプロの球に相当驚いていたね。今思えば、村山(実)さんに厳しくされていたよ。
村山さんのフォークは3種類あって、それを自在に投げこなしていて、ブチが「スライダーフォーク」のサインを出しても逆に「シュートフォーク」をわざと投げたりしてた。そうしてあちこち変化するから、受けるブチの方は大変だったんじゃないかな。
ただ、そんな中で努力を重ねたのが田淵本人。『努力』という文字が最も似合わないような男だけど、人一倍いろんなことをやっていた。入団後、1年でレギュラーを獲ったのは、そんな努力のたまものだったと思う。
現役生活を退いた後のダイエー監督時代(1990~92年)は、チームとしての戦力に恵まれてなかった。もう少しやっていれば、違った結果になっていたかもしれない。その後、仙ちゃん(星野仙一氏)に呼ばれて阪神、楽天でコーチをしたが、あれは彼にとって良かった。現役時代はそうでもなかったけど、辞めてから気が合ったんだろう。
最近は週に一回は話をするけど、話す内容は健康のことばかり。「“黄金バッテリー”も(今年で)合計146歳やで」って(笑)。