阪神・矢野監督 同い年高津ヤクルト倒す「いい意味のライバル意識」
12球団監督会議が22日、東京都内のホテルで開催された。阪神の矢野燿大監督(51)は、3月20日の開幕戦(神宮)で対戦する同学年のヤクルト・高津監督と対面し、シーズンへ向けて気持ちを高ぶらせた。現役時代はアマ、プロともに“苦杯”を喫したライバルをたたいて、開幕ダッシュ実現を狙う。
全監督と顔を合わせ、言葉を交わす。気持ちが引き締まった約2時間の会議。矢野監督には意識する存在がいた。3月20日の開幕戦で対戦する同い年のヤクルト・高津監督だ。
「楽しみにしている。高津とはけっこうしゃべっていたから。いい意味のライバル意識というか。励みになる。年上の人とやるのと何かしら違う」。対抗心を燃やす理由がある。矢野監督の野球人生の中で、これまで高津監督とは幾多の因縁があった。
東北福祉大4年時は、全日本大学選手権決勝で高津監督を擁する亜大と対戦した。矢野監督は「3番・捕手」で先発し、高津監督の登板はなかったが1-2で惜敗。歓喜する姿を目の当たりにした。
その後、ともに1990年度ドラフト会議で指名を受けてプロ入り。矢野監督は通算1347本安打を放ち、阪神で2度のリーグ優勝を果たした。一方で高津監督は日米通算で313セーブを挙げ、日本一4度を含む5度のリーグ優勝に貢献している。
対戦成績も通算27打数6安打で打率・222、0本塁打、3打点と抑えられた。「実績とかは全然(高津監督が)上だったし、現役時代はやられることのほうが多かった」と素直にたたえた。
さらに昨秋ドラフトでは、1位指名の奥川(星稜)で巨人、ヤクルトと競合。最初に引いた高津監督に、当たりくじを持って行かれている。
これまでは後塵(こうじん)を拝することが多かったが、1軍監督としては1年先輩。初対戦となる開幕カードでは意地を見せたい。まして、今季はセの全チームの力が拮抗(きっこう)していると見られる中、出遅れだけは避けたい。
「開幕2カード目は(意気込みが)違うのかと言うと俺は一緒」と言いながらも、「みんなそう(したい)」と開幕ダッシュへ意気込む。矢野監督が燕の翼に照準を定めた。