阪神ボーア 抜群の対応力!シーツ氏太鼓判弾 追い込まれても魅せた内角撃ち
「阪神春季キャンプ」(13日、宜野座)
阪神の新外国人ジャスティン・ボーア内野手(31)=前エンゼルス=が13日、シート打撃で右翼席へ“来日2号”を放った。チームに合流したシーツ駐米スカウトへの“歓迎弾”。追い込まれながらも秋山の内角球に反応するなど対応力の高さを見せ、3度の実戦形式練習で5打数4安打2本塁打と抜群の結果を残す新助っ人。対外試合デビューとなる15日・広島戦(宜野座)に向け、期待は高まるばかりだ。
宜野座の空にごう音がこだました。ボーアが138キロの内角球に対して「80%ぐらい」の力でコンパクトにスイング。高く舞い上がった打球は逆風を切り裂き右翼席に着弾した。シーツ駐米スカウトが見守る中、スタンドをどよめかせた。
「すごく良かった。追い込まれていたのでピッチャーと勝負して反応できた。あまり思い切り振ったことはない。80%ぐらいがちょうどいい加減なんだ。感触的に、風も計算した中で『ああ、いった』と思いました」
岩崎と対戦した1打席目はストレートの四球。一発を期待していたスタンドからため息が漏れていた。2打席目こそ、アーチが見たい。キャンプ地にまで駆けつけたファンの期待に一振りで応えた。
5日のシート打撃では2打数2安打。伊藤和の直球を左中間席へ突き刺した。この日は弱点と目されていた内角球への対応力を証明。新助っ人がぶち当たる壁の一つを会心の一撃で乗り越え、広島・田中スコアラーは「追い込まれてあのコースを打つなんて素晴らしい。さすがメジャーで92本塁打を打った選手ですね」と警戒レベルを上げる。
チーム合流日の一発にシーツ駐米スカウトはご機嫌だ。4、5年前から獲得調査していたことを明言。「彼は本当にパワーがある。率も結構残すと思う。本塁打の数?具体的には言えないけど、ホームランも打点もかなり挙げる思う」と活躍にお墨付きを与え、成功の秘けつは「日本に来て(スタイルを)変える必要はない。向こうでやってきたことを続けることが大事」とアドバイスを送った。
本人は休日だった12日、「いろんなところを見るのが好きなんだ」と名護ビーチを散策。日本食にもトライし「沖縄そばはおいしいね。しょうゆラーメンも好きなんだ」と笑った。
サンズ、マルテらと外国人枠を争うが「競争は必要だけど野球はチームスポーツ。ピッチャーと勝負している。外国人同士の競争は考えていない」と涼しい顔だ。15日に広島との練習試合(宜野座)で対外試合デビュー予定。本物の予感が漂う大物助っ人がいよいよベールを脱ぐ。