スタンド寒かった…ペイペイドーム観客不在で空調なし?感じた“熱気”のありがたみ
「オープン戦、ソフトバンク4-5阪神」(29日、福岡ペイペイドーム)
プロ野球のオープン戦は29日、新型コロナウイルス感染拡大防止のために無観客での実施を決めて以降初めて試合が行われた。ペイペイドームでのソフトバンク-阪神戦をはじめ5試合が無人の観客席で開催された。日本野球機構によるとオープン戦が無観客で行われるのは史上初。阪神担当サブキャップ・和田剛記者が、ペイペイドーム内の様子をリポートする。
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今季から「ペイペイドーム」に改称され迎えた、せっかくのオープニングゲーム。球場周辺に人けはなく、雨にぬれそぼるドームも何だか寂しげに映る。
まずは報道受付で検温、そして体調を申告するチェックシートを書き込んで入場した。球場内は選手、関係者と報道陣の通る通路が柵で分けられ、試合前練習中のベンチへの立ち入りも禁止。スタメンを告げるウグイス嬢のアナウンスもむなしく響く。国歌斉唱後に、野村克也氏に黙とうをささげる時間も設けられたが、その間はまさに物音ひとつしない静寂に包まれた。
異様なムードの中で試合開始。ファウルや本塁打がスタンドに飛び込むと、空席のシートに打球が当たるガコン!という音が響く。ミット音に打球音、そして選手の声がグラウンド、ベンチから聞こえる。「さあ、来い!」「オッケー!オッケー!」。特に響いていたのは、三塁の守備位置で叫びまくっているマッチことソフトバンクの松田宣の声だ。
攻守交代時にBGMが流れるとホッとするほどの静けさ。会社への報告電話をするのもはばかられるほどだ。そして、とにかくスタンドが寒い。観客不在で空調が切られているせいなのか。こんな形でファンの“熱気”のありがたみを感じることになるとは思わなかった。(デイリースポーツ阪神担当サブキャップ・和田 剛)