阪神・近本、新スライディングでOP戦初盗塁 2年連続盗塁王へ走塁技術向上
「オープン戦、阪神1-12日本ハム」(7日、甲子園球場)
まだ試行錯誤の段階にもかかわらず、阪神・近本は迷わず仕掛けた。スタートから一気に加速し、鋭いスライディングで二塁を狙った。相手のタッチをかいくぐり、間一髪でセーフ。オープン戦初盗塁を成功させた。
「スタートはあまりよくなかったんですけど、スライディングはよかった。やっと盗塁ができてほっとしている気持ちはあります」
果敢な姿勢を見せたのは9点を追う七回。2死走者なしから四球を選んで出塁した。本来、終盤の大差がついた場面でベースカバーはつかないが、相手バッテリーは一塁手をベースにつけて近本の足と勝負することを選択。続く井上への2球目にスタートを切り、二塁を陥れた。
2年連続の盗塁王へ向けて研究し続ける走塁技術。昨秋のキャンプでは減速防止をテーマにスライディングに磨きを掛けた。さらに春季キャンプでは、塁間の歩幅を12歩から14歩に変更。だが、足元を意識し過ぎてタイムが伸びなかった。
そこで「回転数はやめました。(歩幅は)12歩のままで、14歩で走っている感覚で(足を)落とし込む。ストライドはそのままで、足の切り替えを速くする」。盗塁王を獲得した昨季の歩幅に、意識改革というアクセントを加えた。
筒井外野守備走塁コーチは「練習でどれだけよくなっても試合でやらないと難しい。いいきっかけになったかなと思う」と取り組みの成果を評価。守備でも八回、先頭の渡辺が放った中堅左への大飛球を背走。フェンスギリギリのところでグラブに収めた。
「風があったんですけど。意識しながら入ることができた。フェンスとの距離だったり。いい感じでした」と課題とする後方の打球処理も難なくこなした背番号5。貪欲な姿勢を示す近本が、チームのために飛躍する。