阪神・ボーア、シフト逆手に初安打「逆方向にも打てるんだよ」
「オープン戦、阪神1-12日本ハム」(7日、甲子園球場)
待望の初安打は思わぬ形で生まれた。二回先頭で迎えた阪神・ボーアの第1打席。前日は外野に4人を置くなど“ボーアシフト”を敷いてきた日本ハムが、この日も右翼前方に二塁手を配置し、三塁手が遊撃、遊撃手が二塁と右寄りに守備陣形が動いた。
4球目、149キロの外よりの速球だ。変則シフトをあざ笑うかのように見事な流し打ち。打球は無人の三塁定位置を転がり、左前へと抜けた。オープン戦9打席目でようやく「H」ランプをともしたボーアは一塁ベース上で笑顔。ベンチでも矢野監督が思わず白い歯をのぞかせた。
「シフトは今の段階では気にしていないけど、逆方向にも強い打球を打てるんだよ、というスイングをしたよ」。してやったりの表情で振り返った助っ人大砲に、指揮官も「オープン戦とはいえゼロは気持ち悪いし、1本出たっていうのはプラスに捉えていい」と安心した表情だ。
その後、2打席は二ゴロ、投ゴロに倒れたが、「状態は徐々に良くなっている。間があくのは嫌なので試合に出続けたいね」とボーアは意欲を見せる。「もっと豪快なバッティングを見たいという気持ちはもちろんあるけど。本人もいろいろ工夫しているんで、見守っていきたい」と矢野監督。開幕まであと2週間。“珍ヒット”をきっかけに上昇が期待される。