阪神・高橋、井川流V字調整 4日の登板回避で疲労「回復」 仕切り直しの登板へ
阪神の高橋遥人投手(24)が9日、甲子園で行われた投手指名練習に参加し、キャッチボールなどを行った。疲労を考慮して4日の登板は回避したが、結果的に「キャンプで投げ込んで一度状態を悪くする」という虎の元エース・井川慶氏が行っていた現役時代の調整法と同じ道をたどることになった。先発を予定する10日の教育リーグ・ソフトバンク戦(筑後)から再び上昇気流に乗る。
仕切り直しの登板へ向けて、高橋が意気込みを語る。
「実戦自体が久しぶりになるので、まずは任されたイニングで試合をつくって。ストライク先行で投げられるようにしたいです」
前回登板は3回3安打1失点で終えた2月22日の中日戦(北谷)までさかのぼる。本来は4日の広島戦(甲子園)で登板を予定していた。結果的に同戦は降雨中止となったが、疲労を考慮して前日に登板回避が決まっていた。
4日からの3日間を完全ノースローで回復に努めた効果もあり、状態はアップした。「回復して、よくなっていると思う。しっかり投げられるように頑張りたいです」。10日の教育リーグ・ソフトバンク戦では予定通り先発を務める。
昨年末にデイリースポーツ企画で井川慶氏と対談する機会があった。同じ背番号「29」の元エース左腕と初対面。高橋が質問攻めにした対談の中で、井川氏が現役時代に行っていたキャンプからシーズン開幕までの調整方法を明かした場面があった。
「2月(キャンプ)に投げ込むことで、状態を悪くしていっちゃう。体力もなくなって落ちていったところで、3月のオープン戦から徐々に上げていく」
春季キャンプで体をいじめ抜くと同時に、投げ込むことで高橋は“新球”カーブも習得した。「自分でしっかり、そういうところも調整できるようにしていかなくてはと思いました」。疲労で登板を1回飛ばしたことを反省するが、結果的に“井川流調整法”と同じく一度、状態を底まで落としたことになる。
あとは上昇あるのみ。開幕延期の決定もシーズンをにらめば、高橋にとっては追い風になるとも言える。まずは10日の登板から状態のV字回復を目指していく。