鳥谷、ロッテ入り決定 ついに決まった新天地 補強ポイントの二遊間で
ロッテが昨季限りで阪神を退団した鳥谷敬内野手(38)を獲得することが9日、明らかになった。10日にも発表される。現役続行を熱望し、NPB他球団への移籍に強い意欲を示してきた通算2085安打の“虎のレジェンド”。悲願のリーグ制覇を目指し、二遊間が補強ポイントだったロッテの一員となる。
ロッテが悲願達成に不可欠なピースを加える。阪神を自由契約になった鳥谷。ここまで去就が注目を集め、球団としても調査を行ってきた百戦錬磨の男の獲得を決めた。
二遊間は補強ポイントの一つだった。遊撃は3年目の藤岡、二塁には6年目の中村奨と今季のレギュラー候補がいる。若手では、内野ならどこでもこなせるドラフト5位・福田光(法大)も徐々に台頭している。それでも遊撃、二塁だけでなく、三塁も守れる鳥谷を加えることで内野陣の層を厚くし、ディフェンス面を強化したい考えだ。
プロ野球歴代2位となる1939試合連続出場記録を持ち、阪神では球団史上最多となる2085安打をマークした。2004年のルーキーイヤーから一度も2軍落ちを経験することなく、チームの屋台骨を支えてきた鳥谷。井口監督の現役時代には自主トレを共にした関係もある。ただ、16年目の昨季は主に代打として74試合の出場に終わり19安打、0本塁打、4打点と納得できない結果だった。
阪神を退団することになり「これはピンチではなくチャンス」と前向きに語っていた。現役続行へ並々ならぬ意欲を示し、NPB他球団への移籍を模索してきた。紆余(うよ)曲折があり、今年に入ってもなかなか移籍先が定まらなかった。春季キャンプ終了後のこの時期になって、ついに新天地が決まった。
ロッテとしても、鳥谷加入の効果は計り知れない。しぶとい打撃は健在で、代打の切り札として起用する手もある。単純な戦力アップだけにとどまらない。何よりも試合に臨むにあたっての入念な準備、練習に取り組む真摯(しんし)な姿勢、培ってきた豊富な経験が、若手の手本になることを期待している。
2020年のチームスローガンを「突ッパ!」に決め、レギュラーシーズン2位からプレーオフを勝ち上がった05年以来のリーグ制覇を狙うロッテ。オフにはFAでソフトバンクから福田秀、楽天から美馬を獲得するなど大型補強を敢行してきた。今季でプロ17年目を迎える鳥谷を新加入させ、まずはパ・リーグを突き抜け頂点を目指す。