阪神・藤浪 開幕ローテに前進!躍動の4回0封3連続K 2安打燕斬り!
「オープン戦、ヤクルト1-3阪神」(11日、神宮球場)
コロナ禍のうっ屈した空気を吹き飛ばすような快投や!阪神は11日、神宮でヤクルトとオープン戦を行い、先発した阪神の藤浪晋太郎投手(25)が4回2安打無失点、1四球と安定した投球を披露した。右打者への抜け球も“持ち味”と判断できる範囲で、直球、変化球共にキャンプ中よりも質が向上。首脳陣の評価も変わりつつあり、2年ぶりの開幕ローテ入りへ前進した。
球春到来が待ち遠しくなる快投だ。藤浪に躍動感が戻った。初回2死一、二塁のピンチで塩見を見逃し三振。外角低めに152キロがズドンと決まった。開幕延期で競争が続くローテ争いの中、4回2安打無失点とアピール。神宮のマウンドで復活のノロシを上げた。
「体をよく使えていたと思うし、上半身と下半身が連動して投げられた。その辺りが躍動感があるように見えた要因だと思います」
テーマに掲げていた変化球に一定の手応えを得た。直球とカットボールのコンビネーションに加え、2巡目以降はカーブとフォークも解禁。3者連続三振を奪うなど、4回で5三振を積み上げた。
「打者と勝負する上で緩急だったり、コースに投げることができた。キャンプから実戦で投げてきて変化球は一番良かったと思う」
キャンプ中から兆しはあった。午前の投球練習を終えた後、藤浪は午後もブルペンに足を運んだ。昨年も同じ行動を取ったが、意味合いは違う。「今年はいい感覚がある」。昨年までは感覚をつかんでも、翌朝を迎えると失っていた。一球一球丁寧に腕を振った成果が実を結びつつある。
2点リードの四回、2死から塩見の頭部付近にすっぽ抜けた1球は反省点。それでも崩れず、スコアボードに「0」を4つ並べた。福原投手コーチは「真っすぐは良かった。少しずつ、階段を上がっている」と評価した。昨季未勝利。開幕ローテ入りはお預けも、首脳陣の見方は徐々に変わりつつあるようだ。
今後はさらに内容を追い求めていく。残る先発切符は2枚。藤浪は「かなりいい感じではありましたけど、もう少しやることがあります。まだまだアピールしないといけないですし、しっかり練習したいと思います」と言葉に力を込める。
この日は3・11。東日本大震災から9年を迎え、試合前には両軍が黙とうした。「当たり前のように野球できることに感謝したい」と藤浪。大好きな野球と向き合える幸せをかみしめて、復活ロードを歩んでいく。