阪神・MBS砲そろい踏み 矢野監督「威圧感十分」マルテ、ボーア、サンズが安打
「オープン戦、阪神6-5オリックス」(13日、京セラドーム大阪)
猛虎打線に開花の兆しや。クリーンアップに名前を連ねた阪神のジェフリー・マルテ内野手(28)、ジャスティン・ボーア内野手(31)、ジェリー・サンズ外野手(32)のMBS砲が、5試合目にして初の安打そろい踏み。開幕は延期になったが、期待感は膨らんできた。
高々と舞った白球が、左翼5階席に届いた。マルテが放った推定120メートルの特大弾は、コロナ騒動で沈むファンに届ける“予告弾”。名付けて「めっちゃホームラン」-だ。中軸で並ぶ新助っ人のボーア、サンズにも安打が生まれ、初の「MBS」砲そろい踏みだ。
ハイライトは三回だ。1死一塁で打席に立つと1-1からの3球目。高めに浮いたカットボールを見逃さなかった。オリックスのエース・山岡を攻略する一発は、2月22日の中日戦(北谷)以来、オープン戦2本目。実戦3本目のアーチだ。
「1打席目(空振り三振)は少し焦りがあった。しっかりボールを待って、ゾーンで勝負できるように心掛けた。いい感触で打つことができたね」
激しい外国人枠の争いが続く中、ボーアが二回に中前打、サンズは三回に左前打を放った。5度目の「MBS」そろい踏みで、初めて3人が安打で競演だ。選択肢の一つとして、シーズン中の同時起用を示唆する矢野監督は「やっぱり威圧感は十分に与えられるね」と手応えを口にする。
その中でマルテが、ファンに約束の1本を届けた。12日の全体練習前、矢野監督が緊急ミーティングを開いた。新型コロナウイルスの影響で開幕がずれ、ファンサービス企画を議論。この日の球団公式インスタグラムでは、練習の様子が生中継された。その中で助っ人は「めっちゃホームラン!!」と豪快弾を予告していた。
試合前にMLB通算282発のオリックス・ジョーンズとも談笑。3戦連続でスタメンに入った助っ人が、お株を奪う豪快な一発で開幕三塁争いを激しくさせた。「試合に出たら楽しんでね。リスペクトを持ちながら、グラウンドに立っている」とマルテ。MBS砲が15年ぶりのリーグ優勝に向け、勝利のカギを握るオプションのひとつになる。