阪神優勝でも日本Sは甲子園でできない?ドーム限定案浮上
新型コロナウイルス感染拡大によりプロ野球の開幕が延期となった影響で、今年の日本シリーズが全戦ドーム開催となる可能性が17日、浮上した。シリーズ開幕は11月7日から2週間遅れの同21日が基本線となっている。その場合、本拠地が使用できない球団があるうえ、寒さなど天候面が課題となることから、ドーム開催案が水面下で検討されているもようだ。阪神が優勝し、CSを突破した場合でも、甲子園で日本シリーズが行われない可能性が出てきた。
五輪イヤーに開幕延期という過去に例のないシーズン。その結末も、異例になる可能性が出てきた。日本シリーズ全戦でのドーム球場開催。現状はペナントレースの日程策定が最優先で、深い議論には至っていないが、現実味のある選択肢として浮上した。
現時点での最短での開幕日は、当初から3週間遅れの4月10日。延期された分の試合は一番最後に組み込まれる。そのため、CSと日本シリーズを後ろ倒しにして、空白期間を設ける方向だ。そのうえで、11月中に全日程を終える必要があり、シリーズ開幕は11月21日が基本線となる。
ただ、その場合は複数の本拠地球場が利用できない。東京ドームでは都市対抗野球が、神宮球場では明治神宮大会が行われる。さらにナゴヤドームや京セラドーム大阪でも音楽イベントが予定されている。球場の課題は12球団間で共有されており、本拠地以外でのシリーズ開催については合意されている。
全戦ドーム開催案は、そこから一歩踏み込んだ形となる。主な理由は天候面。11月下旬となると寒さも厳しくなるうえ、屋外で試合を行う場合は中止のリスクも伴う。この日程で中止となった場合、シリーズが12月にずれ込む可能性も出てくる。ギリギリのシーズンを強いられる中での、落としどころの一つと言えそうだ。
実施パターンはいくつかが挙げられる。1、2、6、7戦を行う球場と3、4、5戦を行う球場を確保して行うケース。また、1~7戦までを同一球場で行うケースも考えられる。過去には中立地でシリーズを行った前例もあり、実施そのものは決して不可能ではない。
課題は、まずは主催のNPBがドーム球場を確保できるかという点。そして、屋外球場を本拠地とし、さらにシリーズ期間に利用できる球団の同意を得られるか。さまざまな事例が重なり、超異例のシーズンとなった2020年。全体像を作り上げるために協議を続けていくことになる。