阪神 食事会に7選手 藤浪に続き伊藤隼&長坂も陽性 揚塩社長、注意喚起止まり反省

 阪神は27日、藤浪晋太郎投手(25)、伊藤隼太外野手(30)、長坂拳弥捕手(25)が26日に新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査を受け、陽性反応が出たことを発表した。揚塩健治球団社長(60)が兵庫・西宮市の甲子園球場に隣接する室内練習場で緊急会見を開き、藤浪ら3人は14日に大阪市内で阪神の他の4選手を含む12人で会食に参加していたことが明かされた。陽性の3選手はこの日入院した。

 事の重大さを示すように、緊急会見は30分に及んだ。マスコミの入場も制限。密室を避けるために甲子園の室内練習場が開放され、白いマスクをした揚塩球団社長が頭を下げる。NPBの選手としては初の感染。26日深夜に感染が判明した藤浪に続き、この日伊藤隼、長坂の名前を公表した。

 「大変深く重く受け取っています。3人という複数名で発症したことに対しても、大変重く感じております」

 避けたかった所属選手の感染、それも集団に及んだ結果に表情が曇る。感染経路は特定されていないが、当該3選手が14日に大阪市内で参加した食事会には、阪神の他の4人、球団外の5人の計12人が参加していた。「感染拡大防止のために国民を挙げて取り組んでいるさなかに不安、ご心配をおかけしまして誠に申し訳ありません」とした。

 初期段階から外出禁止の内規を定めた球団もあった。一方で阪神は、NPBとJリーグが合同で立ち上げた専門家委員の作成した提言書の下に、外出自粛など注意喚起にとどめていた。だが、3選手が感染する事態に「外出禁止という形で臨んでいた方が良かったのかなという反省もある。結果的に大変申し訳なく思っております」と続けて謝罪した。

 発端は藤浪が24日、嗅覚障害の症状を訴えたことだった。その日と翌25日に複数の病院で受診後、感染の可能性があるとの診断を受け、26日にPCR検査を受ける運びとなり、その日の深夜に陽性が判明した。同じく食事会に参加し、味覚障害などの症状を訴えていた伊藤隼、長坂も26日に同検査を受け、陽性であることが発覚。保健所の指示で一夜明けたこの日、長坂は兵庫県内、藤浪と伊藤隼は大阪府内の病院にそれぞれ入院した。

 3人以外にも食事に同席していた選手もおり、今後さらに感染者が発覚する可能性もある。球団では甲子園球場、鳴尾浜球場の両施設の消毒を完了させ、感染の拡大防止に最善を尽くす。今後、感染症状を訴え、PCR検査を受けて陽性になった場合は「選手名も含めて、発表するルールがある」と説明した。

 NPBでは当初の予定通り、4月24日の開幕を目指す方針。今後について同社長は「監督官庁のご指導もございます。間に合うように努力していきたい」と話すにとどめたが、球団は既に来月1日まで活動休止を決定。チームとして調整遅れは必至だ。今後の状況次第で休止期間が延びる可能性もあり、球界全体に多大な影響を与える可能性を拭えない。

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