阪神・木浪を変えた鳥谷の背中 今春キャンプで1日も休まずアーリーワーク
デイリートラ番記者が阪神のイチオシ選手を紹介。木浪聖也内野手(25)にスポットを当てる。春のキャンプでは、早朝5時30分からアーリーワークを日課とし、1日も休まなかった若虎。そんな背景に昨季限りで阪神を退団し、ロッテに移籍した鳥谷敬内野手(38)の姿があった。猛虎の鉄人の系譜を受け継ぎ、不動の遊撃手への道を歩む。
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まだ辺りが薄暗い早朝5時半。沖縄読谷村にあるチーム宿舎。隣接するドーム球場には、乾いた打球音が響いていた。誰もいない空間で黙々と、木浪が打撃マシンと向き合う。球団スタッフはその背中に、鳥谷の姿を思い浮かべたという。
「あれ、トリさんがいるのかなと思いました。それも毎日ですよ。1日も欠かしてなかったと思います」
木浪はプロ2年目のシーズンを迎える。昨季は近本と2人、ルーキーながら開幕スタメンの座を勝ち取った。球団では実に47年ぶりのことだった。だが、夏場に2軍落ちを経験するなど、113試合の出場で打率・262。15失策はリーグワースト2位タイと、定位置の座を不動とするまでには至らなかった。
迎えた今春のキャンプ。勝負の年と位置付けた木浪は、自身に高いノルマを課した。1カ月、5時半からの打撃練習。「何かを変えたかった」と、ブレることなく白球と向き合った。「1カ月は絶対にやろうと決めた。なんとかクリアできましたね」。満面の笑みを浮かべた若虎だが、そんな背景には鳥谷の姿があったという。
「あの鳥谷さんでも、あれだけの練習をされていたんですから。僕は普通にやらなきゃいけない。キャンプは追い込むものですからね。だから自然にできたと思います」
長く不動の遊撃手として活躍し、控えに回ってからも球場入りは一番。そんなレジェンドと過ごした1年が、かけがえのない財産になった。木浪は「1カ月」と控えめに明かしたが、オープン戦に入った3月も“日課”は継続させた。続けてこられたのは追い掛ける背中があったからだ。
課題の守備面でも、昨秋キャンプから苦手な二遊間方向の打球処理を反復練習。オープン戦は遊撃で70イニングを守り、わずか1失策と成長した姿を結果で示した。「まだまだですね。これからです」。北條、植田らとの争いは続くが、現時点で正遊撃手の本命に挙がる。「1」から「0」へ紡ぐ鉄人の系譜。鳥谷敬を追い掛けながら、不動の座をつかみ取る挑戦が続く。
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