阪神 選手寮「虎風荘」“疎開”OK 心理的負担軽減、希望者はホテルや実家へ
阪神は6日、兵庫県西宮市にある選手寮「虎風荘」の寮生に一時退去を認める方針を示した。保健所から新型コロナウイルスに感染した長坂らとの濃厚接触者と認定された者を除く寮生が対象。希望者はすでに球団が用意した兵庫県内のホテルや実家へ“疎開”した。
少しでも寮生の心理的負担を軽減したかった。虎風荘では寮生の小幡がPCR検査で陰性となった3日以降も念のため、基本的に全寮生の自室待機、自室での食事など厳しい制限を継続している。
松尾広報部次長は「時間帯は分けていますけど同じお風呂ですし、トイレも1人1個というわけではないので。できることは最大限やっていますけど、心理的な負担はやはりありますので」。制限下での生活を強いられている寮生の精神面を考慮したことを説明。保健所や地域アドバイザーに相談した結果、寮生の“一時疎開”を認めたことを明かした。
対象者はもちろん保健所から「濃厚接触者」と認定されていない面々だ。新型コロナウイルスに感染した寮生の長坂(兵庫県内で入院中)らと濃厚接触していない者へ個別にヒアリングした結果、希望者は6日のうちに球団が用意したホテルや実家へと移動した。
その上で松尾次長は「濃厚接触者と言われている人は当然、外に出すわけにはいかないので残っています。かといって寮に残っている人が全員濃厚接触者かと言われると、そうではないです」と強調する。
現在、濃厚接触者ではない寮生は室内のトレーニングルーム使用は禁止されているものの、寮に隣接する鳴尾浜グラウンドでランニングなど、一人でできる運動は許可されている。ホテルへ移動した寮生はそこから通うことで今後も引き続き、グラウンドを利用することはできるという。
一方でいつからチームの活動を再開するかについては未定だ。兵庫県や大阪府に7日にも緊急事態宣言が発令される状況。谷本球団本部長は、この日行われたセ・リーグ理事会、実行委員会で他球団の方針などを確認したことを明かした上で「当球団は全面休止しているので、宣言が出たからといって影響は受けない。(矢野監督ら現場と)話し合ったらお話しします」と説明するにとどめた。
選手寮には“疎開”を認める措置を取った一方で、チームの活動休止解除時期についてはいまだ不透明な状況が続いている。