中田良弘氏 遥人に開幕を!キャンプの落ち着いた投球に感じた成長

 虎の“推しメン”を紹介する「It’s 勝笑 Time! オレが推す」の評論家編。今回は中田良弘氏(61)が高橋遥人投手(24)の生え抜きのエースに向けた成長に太鼓判を押した。細かな課題はあるものの、キャンプでの落ち着いた投球などから、さらなるブレークを予感。将来を見据えた開幕投手への抜てきという私案も披露するなど、若き左腕に大きな期待を寄せた。

  ◇  ◇

 沖縄キャンプを見た時に、3年目を迎えた高橋の成長を感じ取れた。昨年までは常に全力で投げていた感じだったのが、ブルペンでは落ち着いて一球一球を非常に大事にしていたからだ。雰囲気は静かであっても、ボールにはしっかりと力が込められていて、去年とは違う印象を受けた。一球の重みを感じてきているのだろう。

 高橋の魅力は何といっても真っすぐだ。例えば150キロのボールを投げても空振りを取れないピッチャーもいる中、キレのある真っすぐで空振りを取れるのは持って生まれた天性のもの。練習したからといって誰もが身に付けられるものではないし、それを生かさない手はない。

 右バッターにも真っすぐで内角を突けるし、外角にもチェンジアップなどの沈むボールで攻められる。その中で、キャンプでも練習していたカーブをもう少し使っていければ、投球の幅も広がると思う。昨年の奪三振数125は計109回2/3というイニング数を上回っていたが、カーブをうまく使うことで、真っすぐでもより空振りが取れるようになるはずだ。

 昨年は19試合で3勝9敗と思うように勝てなかったが、すべて内容が悪かったとも思わない。ただ、技術面以外のところでは、打たれだした時に引くというか、いい意味で逃げることを覚えたらいいのではないか。ムキにならずに逃げるのも大事。弱気になるとダメとよく言われるが、その弱気とはまた別の意味での逃げであり、かわし方のところでね。

 今のセ・リーグの先発左腕を見ても、DeNAの今永の次にくるぐらいのピッチャーかなという期待もしている。だからこそ、これも個人的な考えになるが、西勇に決まっている開幕投手を任せても面白いのではと早くから思っていた。

 高橋はまだ若いし、性格的にもおとなしいところがあるように見える。ただ、このタイミングで開幕を任されれば、そのことを意気に感じて気持ちにも火がつき、より責任感も生まれて今後につながるのではと思うからだ。

 よく、チーム全体の話題の時には生え抜きの4番の育成を、と語られたりするが、一人のOBとして、同じように投手でも生え抜きのエースが出てきてもらいたい。高橋にはそれだけの力があるだけに、エースに向けた1年にしてほしい。

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