阪神・坂本 梅野と勝負できる!捕球技術をダルが絶賛、西山秀二氏が猛プッシュ
デイリースポーツ評論家が独自の目線で“推しメン”を紹介する「It’s 勝笑 Time! オレが推す」。今回は西山秀二氏(52)が坂本誠志郎捕手(26)を猛プッシュした。カブスのダルビッシュが認めた捕球術を持つ成長株。「もう一回、梅野と勝負できる」とエールを送ると同時に、同じ捕手としてコーチ目線で助言も添えた。
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坂本に変化を感じたのは、春のキャンプを見に行った時だ。打つ方での成長が見えた。プロのスピードに対する慣れなど、全ての面で着実に力を付けている。何より自信を持ってプレーしているように感じた。
昨年末、ダルビッシュが坂本の名前を挙げて、捕球技術を絶賛したことを思い出す。私も経験があるが、野村(克也)さんや森(祇晶)さんに「いいリードをしよる」と言われたら、すごくうれしかった。そこで得た自信が成長につながった。
同じようにキャッチングというのは、モロに投手に関わってくることである。それを超一流、しかも海外で活躍する選手から認められた。すごく励みになっただろう。たった一言でも、今までやってきたことが間違いじゃなかったと確信に変わる。オフにいい準備ができたことで、グッと成長できている。
現時点で梅野に取って代わるというのは、なかなか難しいだろう。タイトルも取って一歩、二歩、先を行っている印象だ。ただ、チームとして2番手、3番手の捕手が力を付けてくれるというのは、大きなプラスになる。
例えば2005年。阪神が優勝した時には、現在の矢野監督が正捕手で、2番手に野口(寿浩)がいたことで、有事に戦力がガタッと落ちない。私のコーチ経験でいえば、巨人では阿部(慎之助)がいる中で、鶴岡(一成)の存在が大きかった。ここに加藤(健)や、実松(一成)と、安心できる布陣だった。
阪神では梅野、坂本に加え、打撃のいい原口もいる。レギュラー捕手と遜色ない働きをしてくれる捕手がいるというのは、チームとして大きい。勝つための条件でもある。優勝を狙っていく上で、いい形でシーズンに入っていけるだろう。
ただ、坂本にとっては、レギュラーを取るために、ここ1、2年が勝負になる。キャッチングもそうだし、リード面でも梅野と遜色があるかと言えば、決してそうではない。試合で経験を積んでいけば、いくらでも成長できる。では、どうすればいいか。それは結果を残すことである。
漠然としたものではない。目に見える数字だ。坂本が出ると、毎試合2本ヒットを打つ。盗塁阻止率が8割を超えてくる、投手の防御率が2点台になる、などだ。私も現役時代、まずは打撃を買われ、三塁や右翼で使ってもらった。そこから捕手に戻れ、となった。数字を積み重ねて、周囲を認めさせたらいい。
もう26歳。ダルビッシュの言葉も追い風になる。レギュラーを取るだけの力は付けているだけに、2番手でいいと思わず、勝負してほしい。その位置にまで来ている。あとはいかに試合で発揮できるか。もう一回、「梅野に勝つんだ」という気持ちで、文句のない数字を残してもらいたい。