阪神・球児 甲子園マウンドで熱投30球 センバツ球児の思いも込めて!
阪神・藤川球児投手(39)が5日、先月15日に自主練習が再開されて以降、投手陣で初めて甲子園のマウンドで約30球の投球練習を行った。コロナ禍でセンバツが中止となった高校球児の無念さを思ってマウンドに立ち、「一球一球大事に」と魂を込めて投じた。練習後は球団広報を通じた取材に応じ、聖地で野球ができる日々への感謝の思いも語った。
特別な思いを抱きながら、藤川は甲子園のマウンドに歩みを進めた。自主練習再開後、投手陣の誰もが登っていなかった“働き場所”へ。甲子園でセンバツに臨むはずだった高校球児たちのやるせない気持ちを思いながら、全力で腕を振った。
「センバツが中止になって、この甲子園の土を踏むことができなかった子たちもいるし、そういう意味でも、真剣に集中して一球一球大事に投げることができた」
藤川にセンバツ出場の経験はないが、2年夏に甲子園の土を踏んだ。かつて高校球児として聖地を目指し、戦ってきた過去があるからこそ、選手たちの無念さが理解できる。
投球時には気温25度の暑さがあった。一球一球に熱い魂を乗せ、受け手の坂本に直球と変化球を交えて約30球を投じた。「だいぶ暖かくなってきたので」とマウンドに上がった経緯を明かし、「甲子園球場を使わせてもらっていることに感謝して練習させてもらっています」と調整できる環境へのありがたさを口にした。
コロナ禍に終息の兆しが見えず、開幕は依然不透明だ。日米通算250セーブにあと7と迫っており、今年中の名球会入りが確実視されていたが、先行きは見通せない。それでも、元通りに野球ができる日を想定し、調整を緩めることはない。
「シーズンが始まった時に素晴らしいものが見せられるように、今自分でできることをしっかりやって、皆さんが元気が出るようなプレーをできるように努力をしている最中です」。ファンと再び、野球の楽しさ、喜びを分かち合う。そのための最善の準備を進めている。
試合ができなかった「こどもの日」。球団公式YouTubeの動画で、全国の野球少年、少女へエールを送った。
「外出禁止、自粛の中で大変ですけど、楽しみを1つや2つ見つけて、こういう動画であったり、野球の力というのをみんなで育んでいけたらいいと思う。子供たちも一緒に頑張っていきましょう」
再び甲子園で投げられる未来を信じて-。背番号22は立ち止まらない。