VS巨人こう戦え 谷佳知氏が阪神へ提言「坂本、丸、岡本以外をきっちり抑える」
デイリースポーツ評論家陣が独自の目線で阪神の今シーズンを占う企画「虎Vへの夢構想」。第3回は谷佳知氏(47)が登場。
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今季も優勝候補の筆頭は巨人だろう。阪神が優勝するためにも、勝たなければいけない相手であることは間違いない。私が巨人にいたころは、阪神とは実力的に互角だった。だから阪神とは五分の成績でオッケー、あとは優勝するために広島やヤクルトなど他球団からどれくらい白星を拾っていけるかと考えていた。
しかし残念ながら、現状では巨人とはチーム力の差があると言わざるを得ない。それでも勝つためにはどうするか。坂本、丸、岡本を擁する巨人打線を抑えるのは簡単ではない。坂本、丸、岡本の主力3人はそれぞれ違うタイプの打者だけに対戦する投手としてはやっかいだが、阪神の先発陣を見渡しても、この3人を完璧に抑えるのは無理だと思う。
この3人に打たれるのは仕方がない。それならば大量失点をしないためにも、他の打者をきっちり抑えることを意識した方がいい。とにかく3人の前には走者を出さないようにすることだ。阿部が抜け、巨人も3人以外は確固たるレギュラーはいない。大量失点を避ければ勝機は十分あるだけに、阪神バッテリーはそこを徹底するしかない。
さらに付け加えると、巨人の弱点である8番打者、そして投手が入る9番打者は絶対にアウトにしなければならない。下位打線に打たれると、当然ながら厳しい戦いになる。アウトを奪える打者からはきっちり奪う。これができないと勝つのが難しくなる。
阪神としては先発陣が大量失点を防ぎつつ、序盤で2、3点をリードする展開に持ち込みたい。阪神は手薄な先発陣に対し、球児らリリーフ陣は充実している。序盤にリードを奪って巨人ベンチにプレッシャーを与え続け、ジワジワと追い込む展開にしたい。
もう一つ言わせてもらうと、昨年の阪神の打線には、送りバントやエンドランを、しっかり決められない印象があった。これができれば得点力は上がる。エンドランで外された時にファウルにする技術も欲しい。小技の必要性を、それぞれの選手には感じてもらいたい。それと絶対的エースと4番という投打の柱を確立することも必要だろう。
巨人に勝ち越しただけでは、もちろん優勝はできない。広島も強いし、DeNAも力を付けている。結局、優勝するには全チームから勝ち越すんだという気持ちを持たないといけないが、巨人に勝つことでチームは勢いに乗るはずだ。