阪神外国人列伝 年俸2・7億円の大物は球団史に残る「大型扇風機」に…
阪神は2020年、球団史上最多となる外国人選手8人体制でV奪回に挑む。球団創設85周年のメモリアルイヤー。かつてタテジマのユニホームに袖を通した助っ人を年度別で振り返る。1994年はロブ・ディアーが加入。メジャー通算226本塁打の実績を引っさげて、当時球団史上最高額となる年俸2億7千万円で獲得した。
193センチ105キロ。来日時には三振が多いという質問に「帰らせてもらう」とジョークで和ませて、マジメにこう返している。
「可能性としては40本打てるチャンスはあるだろう。ただ、それにはピッチャーがどんな球を投げるのか。それに慣れて自分がラインアップに130試合名前を連ねられたら期待に応えられるだろう。しかし三振は間違いなくする。でもオレは前向きに考えていくタイプだし、三振しても数多く長打を放ってチームに貢献できればそれでいいじゃないか」
キャンプでは自慢のパワーを見せつけた。安芸キャンプ合流初日のフリー練習では108スイング中、18本の柵越えを披露。場外弾による観客のケガを防ぐため前日に設置した「ディアーネット」が早速役に立った。
シーズンに入ると、開幕4試合で14打数10三振と苦しんだ。4月15日・横浜戦でようやく来日初アーチ。数時間前には「日本人はオレの三振を見て笑っているんだろ」と話したが、「入ってくれと思った。悩んでいる自分をみんなが助けてくれた。監督もコーチもトム(オマリー)も我慢強く見守ってくれた」と感謝。猪俣の2年ぶり完封に花を添えた。
しかし、それ以降も不振は続いた。4月26日にはスタメン落ちを直訴。トレードマークのあごヒゲを剃り、口ヒゲだけにしたが…。7月31日・横浜戦で右手親指のじん帯を損傷し帰国。わずか1年での退団となった。結局70試合で打率・151、8本塁打、21打点、76三振。久万オーナーは「多額の投下資本に比例する働きがなかった。悲しいことですが、教訓として生かせられれば」と嘆き節。球団史に残る「大型扇風機」だった。この年は62勝68敗。2年連続の4位で終えた。
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