阪神外国人列伝 7人在籍した2000年、タラスコ、バトルは期待裏切る
阪神は2020年、球団史上最多となる外国人選手8人体制でV奪回に挑む。球団創設85周年のメモリアルイヤー。かつてタテジマのユニホームに袖を通した助っ人を年度別で振り返る。2000年はタラスコ、バトル、ハンセル、ラミレズが新助っ人として加入。大きな期待を集めた。この年は2年目のミラーとシーズン途中に加入したハートキー、フランクリンと合わせて、計7人の外国人選手が阪神に在籍した。
タラスコは「日本でプレーすることばかり考えていた」と阪神入りを大喜び。チームは2年連続最下位に沈んでいたが「93年にブレーブス、96、97年はオリオールズ、99年はヤンキースで優勝している。常に優勝の関わり合いのあるチームにオレはいるんだ」とVの使者として意気込み、トップバッターに立候補。「スピードと打つことを生かしたい」と活躍を誓った。
陽気で明るい性格。グラウンド外の話題も豊富だった。婚約者はマライア・キャリーの元バックダンサー。オープン戦期間中には野村監督の許可を得ると、試合を早退しマライアのコンサート(大阪ドーム)へ連れ立って出かけた。翌日に初本塁打を放ち、同監督に「集中力はさすが」と言わしめた。シーズンでは9月3日・横浜戦で節目の球団6000号を放ったが、1年で退団。102試合で打率・239、19本塁打、57打点だった。
バトルは三振が少なく、守備も堅実という触れ込み。「ラインドライブを打つタイプ。二塁打、三塁打をたくさん打ちたい。チャンスに強いかって?それはイエスだ」と抱負を語った。4番候補だったが、キャンプ、オープン戦から不振。打率・227、1本塁打、1打点でシーズン途中でチームを去った。
球団は4月下旬にハートキーを緊急補強。野村監督は「内野ならどこでも守れる」と評価した。堅実な守備で76試合に出場。打率・272、4本塁打、27打点の成績を残した。
6月下旬にはバトルを解雇して、日本ハムからフランクリンを獲得。前年30本塁打を放っていた大砲は、阪神では8試合、打率・172、2本塁打、6打点と期待を裏切った。
投手陣ではハンセルとラミレズが新加入。ハンセルは『ノムラの考え』に興味津々で、「監督が名選手だったことは知っている。自分より野球の知識はあると思う。どんどんいろんなことを学びたいね」と意欲的だった。1年目から先発ローテに加わり、20試合で7勝8敗、防御率4・34を記録すると、翌年も27試合で5勝13敗、防御率3・49と安定した投球を見せた。
一方、左腕のラミレズは「オレの仕事は勝つこと。とにかくチームが勝ちさえすればいい」と話していたが、9試合で1勝3敗、防御率5・55。野村監督2年目もチームは最下位に沈み、暗黒時代から抜け出せなかった。