阪神外国人列伝 「コンちゃん」はファーストクラスで来日も…打点0で帰国
阪神は2020年、球団史上最多となる外国人選手8人体制でV奪回に挑む。球団創設85周年のメモリアルイヤー。かつてタテジマのユニホームに袖を通した助っ人を年度別で振り返る。2013年はコンラッドが加入、シーズン途中にボイヤーが加わった。
コンラッドは「コンちゃん」の愛称でナイン、関係者から親しまれた。入団会見では入場する前に「ワタシノ…ナマエハ…コンラッドデス」と日本語での自己紹介を練習する声が漏れ伝わってくるほど。第一声も「球団の方がとてもいい席を用意してくれて感謝しています」と飛行機のファーストクラスを用意した球団にお礼した。
闘争心あふれるプレーが持ち味のスイッチヒッターは「アグレッシブに、グラウンドで持てる力のすべてを出し切る」と気合。2月のオープン戦では左打席で2ランを放つと、右打席でも安打を放った。水谷チーム打撃コーチは「随所でいいところを見せてくれた。でもあんまり褒めちぎるなよ!」とくぎを刺したが、周囲の期待は高まっていった。
ヤクルトとの開幕戦は「7番・三塁」でスタメン出場。2打席連続三振の後、右翼線と左翼線へ2本の二塁打を放った。だが快音はピタリと止まり4月後半に2軍降格。交流戦で出場機会を得たが、24試合の出場で、打率・175、本塁打、打点はゼロに終わった。
ボイヤーは5月下旬にブルペンの救世主として加入した。最速158キロ右腕の趣味は狩り。巨人がウサギをモチーフにした『ジャビット』を球団マスコットにしていると知ると、「ラビットシーズンにしたいと思う」と不敵に笑った。シーズンでは22試合に登板して3勝1敗、防御率2・67。貴重なリリーフの役割を担った。帰国時にはオフにコロラド州で高地トレーニングを行うプランを明かし、「先発をやりたい思いが強い」と残留を熱望したが解雇となった。
13年は73勝67敗で2位。CSファーストSは甲子園で開催されたが広島に敗退した。