阪神が競り勝つ ボーアに待望の初アーチ 不安は死球で交代の糸原
「練習試合、阪神3-2広島」(2日、甲子園球場)
阪神が主力の活躍で広島に競り勝った。4番・ボーアが来日初本塁打が決勝打。1番の糸井にも中前適時打が生まれるなど、投打ともにガッチリかみ合った勝利で、この日から再開した練習の初戦を飾った。
0-0で迎えた四回、先頭のマルテが四球で出塁。無死一塁でボーアが打席に立った。藤井皓に対して1-2から4球目、高めに浮いた直球をフルスイング。高々と舞い上がった打球は浜風を切り裂くように、力強く右翼スタンドに到達した。
実戦18試合、45打席目で生まれた待望の“来日1号”。ベンチに戻ると、ナインからサイレントトリートメントで祝福を受けた。
「まだシーズン前だけれども、日本で初めて打てたホームランだから素直にうれしいね。2ストライクに追い込まれていたから、コンパクトに良いスイングをしようと思っていたけど、フェンスオーバーには十分な距離だったね」。
喜びを爆発させた後、メジャー流の祝福に「アメリカでルーキーにやるショーを日本でもやってくれて面白かったしうれしかったけれど、アメリカはもっと間があるんだけどな」と付け加え、ユーモアを交えて初本塁打を振り返った。
また、五回には無死一、二塁の好機で、糸井が中前適時打。左腕・高橋樹に体勢を崩されながら、しぶとく中前に運んで追加点だ。6月19日のシーズン開幕に向けて、主力の状態が頼もしい。ただ、糸原が六回の打席で右膝付近に死球を受け、そのまま担がれるようにしてベンチへ。途中交代しただけに、状態が不安視さされる。
一方、先発の青柳は4回を投げて2安打無失点。4奪三振と好投し「全体的にやりたいことはできたので、すごく良かったと思いますけど、死球の後の四球はもったいなかったです。ピンチを作らないのが1番ですけど、今日は色々試しながらできたので、その点は良かったと思います」と振り返った。
シーズン開幕後は2カード目の初戦、23日のヤクルト戦の登板が有力。ローテーションの柱として期待される右腕が、シーズンに向けて万全の仕上がりを見せている。