阪神・北條、決勝2ラン含む2安打 遊撃争いで猛アピール!矢野監督絶賛「価値ある」

 「練習試合、阪神2-1ソフトバンク」(7日、甲子園球場)

 譲る気はさらさらない!遊撃の定位置奪取に燃える阪神・北條史也内野手(25)が、三回の先制&決勝2ランを含む2安打で猛アピールした。同じ94年生まれの木浪との激烈な争いの中、バットで存在感を示した。チームは甲子園での練習試合を5勝1敗と大きく勝ち越した。9日からのビジター6連戦で開幕前の最後の仕上げに入る。

 悠然とダイヤモンドを一周した。“俺もいるんだぞ”と言わんばかりに豪快な一発を放った北條。本拠地最後の練習試合で存在感を示した。

 両軍無得点の三回2死一塁。和田が投じた真ん中、139キロの直球を迷わず振り抜いた。乾いた打球音が無観客の球場に響く。高々と舞い上がった白球は失速することなく、左翼席に着弾する2ラン。「忘れていました」とチーム内で浸透しているボーアの決めポーズ“ファイアボール”こそ飛び出さなかったが、納得の一振りで先制点をもぎとった。

 同じ手は食わない。脳裏に残像として残っていたのは、初回の第1打席で右飛に打ち取られた球。「1打席目は真っすぐでやられたんで。結構差された感じになったんで、差されないように。真っすぐに負けないようにと思っていました」と反省を踏まえての一撃だった。

 先頭で迎えた六回には左中間を破る二塁打で出塁。与えられたチャンスでマルチ安打を記録した。

 取り組みの成果が実りつつある。練習再開後から打撃向上に重点を置く。日課としたのがロングティー打撃だった。限られた練習試合で不足しているスイング量を補うため、そしてフルスイングしてもフォームを崩さないように。明確な目的を持ち、励んできた。

 矢野監督は「追い込まれてからですけど、あのスイングで、一振りで決めたのは価値ある打撃だと思う。元々、ベンチにいてもムードを盛り上げてくれたり、いつもしてくれる選手なんで。北條が打てば、ベンチが盛り上がるんでね」と高く評価した。

 現状、遊撃は木浪との併用が続く。4日の広島戦では木浪も本塁打を放つなど共に持ち味の打撃でアピールしている。右打ちの北條に対し、木浪は左打ちであることから、開幕後も状況に応じての起用が続きそうだ。

 2日に始まった練習試合も、この日で甲子園での6連戦が終了。再び本拠地で戦うのは、1カ月後の7月7日・巨人戦となる。「スタメンで出られるように。出てる状態で戻ってきます」と誓った北條。定位置を奪い取るために、全力を尽くす。

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