阪神・ドラ6小川 あるぞ“勝利の方程式” 最速153キロ直球武器に開幕1軍濃厚
新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が遅れ、苦しい調整を強いられたルーキーたち。それでも今季の戦いに欠かせない新たな戦力として、力強く芽を伸ばしてきた選手たちをデイリースポーツの各担当記者が紹介する。阪神はドラフト6位・小川一平投手(23)=東海大九州。2日から始まった練習試合で自己最速を更新し続ける雑草右腕が、虎のブルペンに新たな息吹を吹き込む。
セットアッパー起用も決して夢物語ではない。新人で唯一の開幕1軍入りが濃厚となっている小川。矢野監督から勝利の方程式入りを期待される新星が、今季は脚光を浴びそうだ。
力強い直球をストライクゾーンに投げきれる所が小川の持ち味だ。圧巻だったのは5月31日の紅白戦(甲子園)で対戦した近本への2球目。152キロの外角直球に昨季、セの新人安打記録を塗り替えた背番号5が全く反応できなかった。球威、制球ともに完璧な1球は、潜在能力の高さを感じさせた。
“1軍デビュー”は3月11日のオープン戦・ヤクルト戦。2軍で2試合の登板しかなかったが、異例の早期昇格だった。香田2軍投手コーチは「細かい制球はこれからだけど球のキレもいい。ゾーンに投げられるのは彼の良さ。当初より早く上も見ようとなったのでは」。首脳陣の期待値の高さもうかがえる。
小川は研究熱心な投手だ。練習後の自由時間では、メジャー通算170勝のナショナルズ・シャーザーやカブス・ダルビッシュ、楽天・岸ら一流投手の動画を視聴するなど、研究に余念がない。
「楽しいんですよ!投球のメカニックだったり、試したいなと思う球種を見たり…取り入れる所は取り入れたいですしね」。球界を代表する投手の技を盗み、進化のヒントを探っている。向上心、探求心の強さが小川の大きな特長だ。
大学時代の自己最速を4キロ更新する153キロを投げるなど、成長著しい背番号66。今季の活躍に目が離せない。