阪神・矢野監督ら球児へ贈る甲子園の土を集める サイレンも鳴らされ 約5万人へ

集めた聖地の土を手に笑顔の阪神・矢野燿大監督(中央)ら阪神ナイン=甲子園
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 阪神の矢野燿大監督やコーチ、選手、スタッフらが16日、甲子園球場で行われる全体練習前に、総出で内野グラウンドの黒土をかき集めた。

 球児が甲子園で土を集める際に用いるような袋を手に、一塁側と三塁側のファウルに分かれて約10分間、行った。甲子園ではおなじみのサイレンもならされた。

 阪神と甲子園球場は、8日に日本高野連に加盟する硬式、軟式野球部の3年生部員に『甲子園の土入りキーホルダー』を贈呈することを発表。今回は、このキーホルダーに入る土を監督、選手らが自らの手で集める形となった。

 矢野監督は同日の会見で瞳を潤ませ、言葉を詰まらせながら、企画に至った経緯を説明した。

 「挑戦すらできないっていうのは…ほんとに悔しい思いをしていると…。みんなで応援していますし、この状況を乗り越えて、この年の選手たちってすごいよなと5年後、10年後に言ってもらえるような時代になればいいなと思います」

 キーホルダーを届ける企画は、矢野監督、コーチ、選手、スタッフがオンラインで行っていたコロナ禍でのファンサービスを考える会議の中で生まれた。

 5月中旬から話し合いを進めていく中で、夏の甲子園中止が決定。球児の聖地を本拠地とする球団として、できることはないかという声が選手から上がり、矢野監督を中心に発案された形だ。

 「僕たちの思いっていうのも入って球児に届いてほしいと。ほんとに裏方さんも園芸さんも球団も選手、コーチ全員が応援しているよっていうね」

 費用の一部もチーム一同で出し合い、制作。“幻”となった102回大会の『102』のロゴがデザインされる。対象は約5万人となる見込みで、8月下旬をメドに順次、対象の学校に配送される予定だ。

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