阪神・西勇 プロ1号&6回1失点!投手開幕本塁打は球団82年ぶり2人目の快挙

 3回、菅野(18)から先制ソロを放つ西勇
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 「巨人3-2阪神」(19日、東京ドーム)

 新型コロナウイルスの感染拡大で延期が続いていたプロ野球は19日、当初の予定から約3カ月遅れでセ、パ両リーグ公式戦が開幕した。阪神は先発の西勇輝投手(29)が6回1失点と好投。打席ではプロ初本塁打となる先制ソロを含む2安打2打点と、孤軍奮闘の活躍を見せたが…。チームは逆転負けを喫した。日本一に輝いた1985年も、リーグ制覇した03、05年も黒星発進。今はVロードへの吉兆と捉えたい。

 西勇が笑いながら投げて、最後は球児が締める。決戦前夜。矢野監督が描いた理想を、マウンドで体現しようとした。師と慕う菅野とのエース対決を制し、勝利を手中に収めかけた6回1失点。降板直後の暗転となったが、打席で、マウンドで孤軍奮闘の活躍だった。

 衝撃は三回だ。ここまで無安打投球の菅野に対し、2死から西勇が打席に立った。初球、無我夢中でフルスイングしたバットが、147キロの直球を完璧に捉える。グングン伸びる白球。無観客の球場に、左翼ポールで跳ね返る衝突音が響いた。

 出場236試合目のプロ初本塁打で、投手の開幕戦本塁打はプロ野球史上12人目。球団では2リーグ分立後初、1938年春の御園生崇男以来、実に82年ぶり2人目の快挙となった。さらに同点とされた直後の五回には、1死二塁から左中間を破り適時二塁打。1試合2安打も初となった。

 「チームが負けてしまったので、何も言えることはありません」

 降板直後の逆転劇を見届けた試合後、エースが多くを語ることはなかった。ただ、バットだけではなくマウンドでも、勝利への執念を体現した。初回、先頭の吉川尚を四球で歩かせたが、坂本、丸を連続三振に。4番・岡本は力勝負の直球で二飛に打ち取った。「シャッ!!」。勝利を渇望する声が球場に響く。

 過去、9度の巨人戦登板で未勝利。昨年10月13日のCSファイナルS第4戦でも、6回2失点と好投しながらあと一歩届かなかった。「何かを変えないといけない」と、4年続けた菅野との合同自主トレを卒業。エース道を歩む覚悟を口にし、「爆発的な成績を」と自らを鼓舞してきた。常にチームのことを考え、行動もしてきた。

 3カ月遅れたシーズンも開幕投手は不変だった。1点リードを守り抜き、6回を4安打1失点。10度目での勝利はならなかったが、矢野監督も「いや、すごかった」と脱帽。敗戦の責任を一身に背負った。それでも気迫前面の97球、勝利への執念は次戦につながる。日本一へと続く戦いは、まだ始まったばかりだ。

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