阪神ボーア やり返せ!2度の満塁機凡退で途中交代 4番で明暗「自分の責任」
「巨人11-1阪神」(20日、東京ドーム)
矢野阪神に暗雲が漂う。宿敵・巨人に惨敗を喫し、2006年以来の開幕2連敗。試合を左右したのは4番のジャスティン・ボーア内野手(32)だった。2度の満塁の絶好機でいずれも凡退。一本出ていれば流れは変わっただけに、矢野燿大監督(51)もボーアの打撃をポイントに挙げた。まだ2試合。新助っ人よ、早く本当の実力を見せてくれ!
東京ドームに宿敵のハイタッチと、威勢のいい声が響く。無観客の中でこだまする分、不快度が増す。ボーアは屈辱的な光景を見つめながら、現実を受け入れた。
開幕2戦目。皮肉にも4番の結果が勝敗を分けた。ボーアは2度の2死満塁で凡退。対して巨人・岡本は四回に決勝打、七回もダメ押し打を放った。虎の主砲は屈辱を押し殺し、責任を背負った。
「自分の打席が違う結果であれば、試合の結果も変わっていただろうし、大事な場面で流れを持ってこれなかった自分の責任を感じている」
練習では広角に柵越えを放つが、試合で快音が響かない。0-1の三回2死満塁は田口と対戦。初球のスライダーは腰を引いた見逃しでストライク。2球目の外角直球はファウルで仕留め損ね、7球目のボール気味の外角スライダーで二ゴロに倒れた。
2点を追う七回2死満塁は高木に対して4球連続の真っすぐに一度もバットを振ることなく、見逃し三振に終わった。来日後の実戦で対左投手は22打席無安打。大きな背中を丸くして、ベースを見つめる姿に打席での迷いを感じさせた。
矢野監督は開幕戦からスタメンを4人入れ替え、右打者5人を並べて左腕・田口の攻略を狙った。打線は好機を作ったが、主砲の不振だけは誤算だった。
「あそこ(2度の2死満塁)で一本出ていうのがね。そういう打順というか…。そこ(ボーアの結果)が結果的にはポイントになってくるかなと思う」
2点差の七回の守備からはベンチに下げた。ただ、打線がつながれば再度、打席が回る可能性はあっただけに、僅差で一発も秘める4番をベンチに下げたのは異例とも言える。
開幕から8打席連続ノーヒット。外野にすら打球が飛んでいない現状を見て、気持ちをリセットさせる意味合いもあったのかもしれない。指揮官は元メジャーリーガーの反骨心に期待した。
「やり返すチャンスもあるしね。1本出てくれたらというのは、こっちとしての願い」
開幕2連敗スタートは2006年以来14年ぶり。巨人戦での開幕に限れば、1978年以来42年ぶりだ。ボーアはリベンジを誓う。「このまま負けたままでは終われない。切り替えて、明日やり返したい」。今季初勝利へ導く快音で、一矢を報いる。