阪神・ボーア 不振の原因は?内田順三氏の分析「フライにならない理由を考えよ」

 阪神が20年ぶりの開幕3連敗。王者巨人に圧倒された。3戦4得点と沈黙した打線で、期待の新外国人ジャスティン・ボーアは12打数無安打。ブレーキとなってしまった。数々の強打者を育成し、名伯楽と呼ばれる内田順三氏(デイリースポーツウェブ評論家)にボーアが不振の原因と修正方法を聞いた。

 ◇ ◇

 まだ3試合。他の選手も打っている訳ではないし、彼だけを責めるのは違う。とはいえ本人も苦しいし、俺が打撃コーチなら寝込みたくなるくらいの心境だろう。それくらい辛いものだよ。

 なぜ打てないのか。12打席のうち内野ゴロが7つ。あれだけの長距離ヒッターがなぜ、フライアウトにならないかという原因を考えないといけない。

 左に弱いと言われているが、3連戦で凡退した打席を見ると、体が前に流れ、スイングが外回りするから腰で回転できていない。バットのヘッドが返り、外のボールを片手で引っかけてしまっている。

 メジャーで逆方向に本塁打を放っている映像も見たが、今のようなスイングではなかった。しっかりバットを内側から出し、回転しながら両手で打っている。あのバッティングを思い出さなければいけない。

 指導者の目線で修正方法を考えるなら、左のカーブマシンや緩いボールをセンター方向に打たせること。広いグラウンドでロングティーをさせ、内側から振らせてセンターへ、フェードボール意識の打球を打たせるのもいい。ティー打撃なら、背中側からトスするのもいい練習になる。しっかり軸足にため、ボールを引きつけ、バットを内側から出させる意識付けが必要だろう。

 打撃フォームで気になるのは構え。直立不動で立っているから、外のボールが見えていないように感じる。上体をくの字にするような意識を持たせると、もう少し、外角も見えるだろう。

 日本の投手は「イチ、ニーの、サン」、メジャーでは「イチ、サン」のタイミングと言われる。だから、初めは戸惑う外国人が多い。そのタイミングをつかまなければいけないが、上体をくの字にすることで間合いも生まれ、ためを作ることにもつながる。

 外国人はプライドもある。彼の性格をよく知らないが、コーチがうまく近づいてフォローすることも大切。巨人コーチ時代、去年はゲレーロにもいい時の映像を見せたことがあったが、いいイメージを思い出させて、ネガティブにならないようにしないといけない。

 初戦、巨人のパーラはリクエストで判定が覆って遊撃内野安打。一方のボーアは三遊間に打ったゴロを岡本にうまく処理されてアウトになった。「H」マークが付くか、そうでないかで気持ちの部分では大きく違う。2、3戦目はその余裕の差もあった。

 メジャーであれだけの本塁打を打っていた選手だから、打てないことはない。きっかけさえつかむことができれば、打ち出す実力はあるだろう。

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