阪神・矢野監督 泥沼17イニング無得点…首位巨人と5・5差、デッドライン目前
「中日5-0阪神」(6月30日、ナゴヤドーム)
点が入らな勝てまへんわ…。阪神は好機をことごとく逸し、今季2度目の完封負けを喫した。17イニング連続無得点と貧打にあえぐ猛虎打線。頼みの助っ人トリオも、ボーアの単打1本だけ。矢野燿大監督(51)も「なかなか突破口というのが見えない状況」と嘆き節だ。首位巨人とは5・5ゲーム差。このままズルズル行く前に何とかしてくれ!
敗戦後、多くの選手がグラウンドを見つめたまま動けなかった。もがいても、もがいても抜け出せない貧打地獄。歯がゆい…。矢野監督は試合後の会見で青柳の話題から、自ら敗因の話題に変えた。
「打線が打てないんでね。それに尽きるやろう」
17イニング連続無得点で、今季2度目の零封負け。チーム打率・201は12球団ワーストで、チーム得点19点は断トツで12球団ワースト(11位はオリックスの28点)。「うーん、つながらんよね、どうやってもね、これは。本当に前向いてやるしかない。それしか言えないんだけど。申し訳ない」。指揮官の悩みが、また深まった敗戦だった。
3試合連続でMBS砲を並べた打線は、序盤からつながりを欠いた。四回1死一、二塁はサンズが三ゴロ併殺。悪循環を打破するために指揮官は動いた。
六回無死一塁は糸原の2球目に、バスターエンドラン。1死二塁としたが、1死一、二塁でマルテが三ゴロ併殺に倒れた。
七回2死一、二塁では右腕・柳に代打・大山を送った。「左(打者)をいっても左(投手)が絶対来る場面だったんで。勝負にいった」。流れを変えにいったさい配も実らず、大山は三ゴロ。今後への兆しが見えないまま、スコアボードに9つの「0」が並んだ。
安打数は阪神の5本に対して、中日は6本。得点圏に走者を置いた場面も、ともに4度あったが、決定力の差が5点差となった。
現状では打順や相手との相性を考える前に、選手の状態が問題だ。「これだけみんな悪いとねえ…。何かを変えたいんだけど、なかなか突破口というのが見えない状況なんで。何とか個人個人の状態を上げるっていうことがないと」。矢野監督は願うように、選手への期待を口にした。
開幕から10試合で借金は6まで膨らんだ。巨人が勝ったため、首位とは5・5差。阪神は過去、最大の逆転優勝が1964年の6・5差で、開幕10試合目にして、“デッドライン”が目前に迫ってきた。
それでもまだ10試合しか終わっていない。試合終了後、グラウンドを見つめていた糸原は、ベンチを立つと、チームを鼓舞するように手を叩いた。このままでズルズルと後退するわけにはいかない。必ずはい上がる。