阪神・西勇 今季初星!8回3失点、無敵のマツダで鯉キラー

 6回、雄叫びをあげる西勇
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 「広島3-8阪神」(5日、マツダスタジアム)

 試合の流れを肌で感じながら、阪神の西勇は「意気に感じて」腕を振った。大量援護に守られながらの122球。8回6安打3失点で、待望の今季初勝利を手にした。鯉キラー健在。心は熱く、頭は冷静に。エースとして初めて手にした1勝で、チームを初の連勝に導いた。

 「難しい投球ではあったんですけど。無事に長いイニングを投げることができて、良かったなと思いますね」

 結果だけ見れば5点差の大勝。だが、振り返った言葉通りに、数字以上の重圧を感じていた。チームは9連戦の2試合目。まだ連勝すらなかった。流れを大切にするエースは、初回を6球で三者凡退に。二回は鈴木誠、松山の連打から1点を失い、なおも1死一、三塁のピンチを迎えた。

 だが、ここで田中広を変化球攻めに。シュート、スライダー、チェンジアップを駆使し、空振り三振に仕留めた。続く遠藤も右飛に打ち取り、最少失点で粘った姿に、開幕戦から援護がなかった野手陣が奮起。直後に5点の援護を受け、以降は試合を有利に進めた。

 開幕戦は降板直後に逆転を許して敗戦。前回は7回1失点で黒星を喫した。苦しい投球が続いても、大切にするのは客観視する姿勢。父の教えだ。「よく『自分を見られへんやつは、世間を見られへんぞ』って言われた」。プロに入って描いたのは1年目に1軍登板。次は1軍定着、ローテ奪取。一歩、一歩、着実に階段を上った。

 「思ったことは全部、クリアしてきたから。客観視した自分がいる分、冷静になれる」

 冷静と情熱の間に生まれる投球術で、今季最長の8回を投げ抜いた。昨季4勝1敗の広島相手に、3勝無敗の球場でキラーぶりを発揮だ。「無事に1勝できたので、どんどん勝てるように。貢献していきたい」。初めてエース道を歩む覚悟を口にし、タイトル獲得と優勝を目標に掲げる。常に有言実行の男が、手にした始まりの1勝だ。

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