【岡義朗氏の眼】阪神 苦手メルセ攻略へ揺さぶりを

 「阪神2-1巨人」(9日、甲子園球場)

 阪神・ボーアの一発で勝利したが、巨人・メルセデスを完全攻略できたわけではない。今季も苦戦しそうな投手だ。

 序盤に攻略へ向けた糸口が見えた。二回2死走者なしから梅野が出塁した場面だ。メルセデスは次打者・木浪に対して投じた8球のうち、クイックモーションは2球目だけ。となると、梅野は走らせてもよかった。

 二盗に成功すると木浪は歩かされ、一、二塁でガルシアとの勝負になっていただろう。得点できる可能性は低かっただろうが、苦手な投手に対しては、とにかく仕掛けていくことに意味がある。動くことによって、投手を揺さぶり投球リズムを崩せることがある。

 たとえガルシアが凡退しても、三回は1番からの攻撃。梅野が二盗に失敗しても、三回は木浪からの打順。ガルシアが先頭打者になることは避けられた。

 阪神は走ってこないと決めつけたような大きなモーションが目立った。マイペースで気持ちよく投げさせてはいけない。次回、ボーアも簡単には打たせてくれないだろう。リズムを崩す“仕掛け”が今後のカギになる。

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