阪神・ボーア 甲子園開幕弾!雪辱の特大V2ラン 一振りで天敵メルセ初撃破
「阪神2-1巨人」(9日、甲子園球場)
神様、仏様、ボーア様や!甲子園開幕となった阪神はジャスティン・ボーア内野手(32)=前エンゼルス=の決勝3号2ランで、巨人戦の連敗を止めた。過去2年、一度も勝てなかった巨人・メルセデスに土をつける主砲の一撃。きょう10日のDeNA戦(甲子園)からは5000人を上限として有観客での試合がスタートする。この日を待ち望んでいたファンのためにも、3戦連発の豪快なアーチを見せたってや!!
これほど痛快な一発もそうはない。巨人相手に開幕3連敗を喫した忌まわしき記憶を振り払う一撃が、右中間席に突き刺さる。5日の広島戦で飛び出したグランドスラムに続く、ボーアの2試合連続決勝本塁打が本拠地開幕戦での勝利を呼び込み、チームを今季初の3連勝に導いた。
2日続けて雨で流された聖地初戦。待ちに待った虎党を歓喜させるアーチが飛び出したのは、両チーム無得点で迎えた七回だ。マウンド上には対阪神4勝負けなしのメルセデス。無死一塁で打席に向かうと、2球目、高めに浮いたスライダーを捉えた。
ダイヤモンド周回中から興奮を隠せないボーアは、ベンチに戻ると渾身(こんしん)のファイアボールを放ちながらほえてみせた。これで左腕からは2安打目。中日・岡田から放った来日初アーチに続き、2本目も本塁打となった。
まさに留飲を下げる一発だ。巨人との開幕カード。3度の満塁機で凡退するなど12打席無安打でチームも3連敗を喫した。この日も序盤で2失策。それらすべてを挽回しての勝利に、「とにかく負けることが大嫌いなんだ。ガルシアもいいピッチングをしていたので、何としても打ちたかったのさ」と笑みをこぼす。
リポーターの仕事を辞め、ともに来日してくれたヘイリー夫人へ感謝の気持ちはひとときも忘れない。昨夏に第1子となるジミー君を授かったボーア家にとって、異国に渡ることは大きな決断だった。「感謝しても、し足りないくらいさ。日本に来ることだけでもすごく大変なこと。それにジミーだけでなく、私の面倒も気にしてみてくれているのだから」
開幕からの長い遠征を終え、久々に家族と対面。「家に帰って奥さんと会い、子どもにも会ってすごく癒やされた」とコンディションをさらに高めて迎えた甲子園初戦だった。
そして今日からはスタンドにファンも戻ってくる。「やっぱり皆さんが球場に来て応援してくれるのはうれしいね。チームもいいムードなので、これからも勝っていくよ」。今度は虎党の目の前で勝利を決めるアーチを放ち、歓声の中でお立ち台に上ってみせる。