【岡田彰布氏の眼】阪神・大山の三盗失敗“やってはいけないこと”を肝に銘じて
「阪神2-1DeNA」(12日、甲子園球場)
阪神・岩貞の投球は素晴らしかった。仮にJFKが3人そろっていても、間違いなく八回までは続投させる。どの球種でも勝負球として使えたし、今年一番と言っていい内容だ。
一方で気になったのは八回、大山が三盗に失敗した場面。2死一、二塁から守備固めで出していた江越にベンチは代打・福留を送った。その初球に仕掛けてアウトになったのだが、これは絶対にチームとしてやってはいけないこと。個人でタイムリー2本は評価できるが、チームとしての代打策だから、打者の勝負を最優先にしなければならない。
おそらく2本目のタイムリーが出た時点で、チームに行けるという雰囲気が出たと思う。その流れを三盗失敗で消した。勝つには勝ったが、チームとして翌週に向けて勢いが出る勝ち方ではない。
“白星で帳消し”というのは、調子のいい時期に使える言葉だ。まだ借金が「4」もある状況。“やってはいけないこと”をやれば、流れを失うことを肝に銘じてほしい。