阪神・福留 V弾!代打で大暴れ4打点!球界最年長が4カード連続勝ち越し決めた!
「阪神6-4ヤクルト」(16日、甲子園球場)
神様、仏様、福留様-。阪神・福留孝介外野手(43)が同点の八回、中越えに今季1号となる決勝2ラン。代打で登場した六回には一時同点となる2点適時二塁打を放つなど、4打点の活躍で4カード連続の勝ち越しを導いた。一夜にして最下位を脱出。史上最年少でタイトルを獲得した将棋の藤井聡太新棋聖に負けじと、球界最年長が聖地で輝いた。
甲子園の夜空に勝利を呼び込む白球が高々と舞い上がった。打球はファンの願いを乗せてバックスクリーンに着弾。福留の意地がたっぷり詰まった今季初アーチが、シーソーゲームに決着をつけた。
「サンズが同点にしてくれて、そのあとリュウ(梅野)もつないでくれた。初球からいってやろうと思っていた。あれは打った瞬間、届くと思いました」
あまりに劇的な一撃だ。1点を追う八回。1死からサンズのソロで同点に追いつき梅野が安打で続いた。期待感が充満する中、福留は狙い澄ましたように初球145キロをフルスイング。一振りで仕留めた2ランは17年連続の本塁打となった。
途中出場から堂々のヒーローだ。2点を追う六回2死一、二塁の好機に代打で登場。2番手・近藤のスライダーを捉え、右越えに同点の2点二塁打を放った。慣れない代打にも「特に意識はない。今、自分が与えられている場所で、できることを目いっぱいやろうと思っている」とサラリ。直後の守備では6年ぶりとなる中堅にも就いた。
今季は開幕スタメンに名を連ねながら、6月26日・DeNA戦(横浜)を最後にベンチスタートが続く。出番が限られる中でも準備は怠らない。試合前練習では遊撃、二塁、さらにファーストミットを持参して一塁でノックを受けた日もあった。9日には異例の親子ゲームに参加。打率1割台の低空飛行から、懸命に状態を上げてきた。
不惑を迎えた2017年の秋、福留は覚悟を明かした。「そろそろかなと思うけど、まだまだ負けるかという気持ちもある」。これまで幾度となく、若手や助っ人の挑戦を受けては、実力と結果ではね返してきた。球界最年長となってもやはりユニホームが似合う。勝負師の情熱は今季も燃えたぎっている。
「孝介のおかげや」と大興奮の矢野監督は「ずっとスタメンで出てた選手が代打でいくのは簡単じゃない。本当に心強い」と最敬礼した。4打点を挙げた異次元の勝負強さは今季も健在。15年ぶりリーグ優勝を狙うチームに千両役者は欠かせない。