阪神・大山、同級生・藤浪を勝たせたかった…援護弾も空砲 “一発神話”5でストップ
「阪神2-4広島」(23日、甲子園球場)
勝利には結びつかなかった。それでも藤浪を援護したい-その思いは十分に伝わった。阪神・大山の思いを乗せた打球は大きな放物線を描き、中堅フェンスを越える先制の6号2ランとなった。表情を変えることなく、ゆっくりとダイヤモンドを一周。ベンチ前でキャッチボールを始めていた右腕のグラブと、左拳でタッチを交わした。
「今日は同級生の晋太郎(藤浪)が投げていますし、なんとか援護したいと思っていたので、先制点を取ることができて良かったです」
初回のピンチに4番・鈴木誠を併殺打に斬った藤浪。その同級生へ虎の4番から大きなプレゼントだ。初回、四球で出塁した糸井を一塁に置き、2死で迎えた第1打席。カウント2-2から森下が投じた内角低めのチェンジアップにうまく反応した。打球はぐんぐん伸びて中越え本塁打となり、貴重な先制点をもたらした。
この日は、打たなければいけない理由がもう一つあった。22日の試合の九回。2-1と1点リードの展開で、1死二塁から三ゴロを捕球したものの一塁へ悪送球して同点とされてしまった。「昨日のミスも取り返したいと思って」と汚名返上の一発となった。
六回の第3打席では三塁・堂林のグラブをはじく左前打。これで2試合連続のマルチ安打も記録した。18日の中日戦(甲子園)から5試合連続安打となり、打率は・338と好調を維持している。
今季、大山が本塁打を放てばこの日の試合前まで5戦5勝。ただ6戦目にして不敗神話は途切れてしまった。それでも4番の一打がチームの勝敗を左右することに変わりははない。次こそは藤浪を、そしてチームを勝利へ導く一発を放ってみせる。