阪神・サンズ、捕った!矢野監督「超スーパープレー」延長十回好捕でピンチ救った

 「阪神3-3DeNA」(31日、甲子園球場)

 決勝アーチに勝るとも劣らない、スーパープレーや!!阪神は今季2度目の引き分けに終わったものの、延長十回にジェリー・サンズ外野手(32)が後方の打球を懸命に追ってランニングキャッチ。捕球後、すぐさま送球して7-6-4の併殺を完成させ、チームの窮地を救った。この日は豪雨のため試合開始が57分遅れ、プレーボール時には聖地の左翼後方に大きな虹が架かっていた。もちろんゲームでも、助っ人の全力プレーが美しく映えた。

 銀傘に響いた悲鳴が次の瞬間、歓声へと変わる。さらに併殺が完成すると、今度は誇らしげにベンチへと戻る背番号52に、惜しみない拍手が注がれた。“まさか”と言ったら失礼か。サンズが打者としてではなく、守備で大ピンチを救った。

 「いやもう、あれはね。“超スーパープレー”だと思います」。矢野監督が興奮気味に振り返ったビッグプレーが飛び出したのは、今季2度目となる延長戦へと突入した十回、DeNAの攻撃だ。

 マウンドには藤川。宮崎の平凡な遊ゴロを待ってさばいた熊谷が一塁へまさかの悪送球。続く柴田には明らかに外角へ外れるボールで四球を与えた。

 失策と四球で迎えるという最悪の形で迎えた1死一、二塁のピンチ。1点もやれない場面で、外野は前進守備を敷く。そして直球が続いた4球目、大和が低めのボールをはじき返した。

 虎党の誰もが「やられた!」と思ったに違いない勢いのある打球が左翼頭上を襲う。それでもサンズはあきらめない。巨体を揺らし懸命に背走しながら思いっきり伸ばしたグラブにボールを収めると、中継へと転送。飛び出した二塁走者を刺してチェンジとなった。

 「ランナーを絶対にかえさないという気持ちで追いかけた結果、捕ることができた。ランナーを刺すこともできたし、大事な場面で点を与えることがなかったのでよかった」。抜ければ一気に2点を失う窮地を見事に救ったヒーローは、そう言って胸を張った。

 沖縄の春季キャンプ当初から、チーム内でサンズの守備を危惧する声も聞かれた。だが、そんな心配をよそにここまで失策は1。今回だけでなく、フェンス激突の好守備など、体を張ったプレーを見せている。

 「あのプレーは本当に何打点(の価値)にもなる。引き分けに持ち込めたのはあのプレーのおかげ」。矢野監督は称賛を惜しまなかった。“本職”の打撃でも規定打席に達して、打率・293でリーグ14位につけた。大山と並んで打点20はチームトップ。開幕を2軍で迎えた助っ人が、今や攻守で欠かせない存在になっている。

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