【岡田彰布氏の眼】細かいことの積み重ねが勝負に直結する 阪神、六回2つのポイント
「阪神1-4巨人」(5日、甲子園球場)
細かいことの積み重ねが勝負に直結する-。それをまざまざと証明したゲームだった。焦点は阪神が3点を失った六回。ここに2つのポイントがあった。
1死一塁で坂本を迎えた場面。1、2打席を凡退して迎えた中で、坂本は逆方向を狙ってチーム打撃に徹する傾向がある。初球の見逃し方を見ても、明らかに逆方向を意識したような感じだった。
そこでベンチやキャッチャーが「一、二塁間を詰めろ」と指示できなかったのか。そういう声がグラウンドでかかると、バッターも狙いを見透かされたようになって迷いが生じる。しかも一塁走者は投手の戸郷。ボーアがベースにつく必要もない。あの右前打は防げていたはずだ。
2つ目のポイントは岡本に2点二塁打を浴びた直後。大城に対してカウント3-1となり、藤浪も投げづらそうにしていた。これはもうベンチが申告敬遠で歩かさないといけない。1、2打席の内容を見ればウィーラー勝負でいい。ベンチも気落ちしたのか、スーッと4点目を奪われた。
プロ野球で3点差と4点差は大きく違う。満塁アーチでもまだ同点という状況は、相手バッテリーに余裕を生み、味方打線は戦術の選択肢が狭まる。大城の場面は継投してでも4点目を防がなければならなかった。
こういう細かいことの積み重ねがないと、勝てるチームにはなれない。積み重ねはその場限りでなく次戦以降にもつながる。同じ失敗を繰り返さないよう、次に生かしてほしい。